研究概要 |
本研究はシミュレーションとモデリングを同時に行うことにより,物理的な制約条件を加味した3次元形状モデルを作成することを目的とする.予め物理的制約条件をデザインプロセスに組み込むことで,モデリング後に制約条件を評価していた従来手法に比べて効率よくモデリングすることが可能になる.今年度は主に毛糸という制約付のモデリングである"あみぐるみ"デザインに応用した研究を2件行った. 1つ目は,3次元モデリングプロセスにインタラクティブな物理シミュレーションを組み合わせることであみぐるみを効率的にデザインできるモデラーを研究・開発した.また,3次元モデリングや物理的制約の知識を持たないユーザとして,小学生・中学生を対象に日本科学未来館にてあみぐるみのワークショップを行い,物理的制約を満たしたモデルが誰にでも簡単にデザインできるかを実証・実験した. 2つ目は,3次元モデルからあみぐるみを作成するための編み図を生成する研究を行った.本システムは3次元モデルへ等幅のストリップを巻きつけ,得られたストリップを等幅でサンプリングすることて,編み図へと変換する.また,自動生成した編み図を元にシミュレーションを適用することで,あみぐるみ完成予想モデルをユーザに提示する.編み図は通常用いられているフォーマットで出力され,誰でも簡単に編み図からあみぐるみを作成できる. 両研究ともにシステムは自動で編み目を計算してあみぐるみモデルをシミュレーション結果として提示するため,初心者にでも直感的にデザインでき,編み図も容易に得ることができる.また,初めてあみぐるみに挑戦する初心者でも作成手順を容易に理解できるようにするために,製作手順を視覚的に提示する製作支援インタフェースも備えた.あみぐるみ初心者でも容易にオリジナルなおみぐるみを作成できることを確認した.
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