研究課題
当該年度のお主な研究成果は、以下の2つである。1.カーボンナノチューブをチャネルに用いた共鳴トンネルトランジスタ、近藤共鳴状態、単電子トランジスタの3つの特性を電気的に選択可能な新規デバイスを作製し、特性評価を行った。2.カーボンナノチューブを用いた室温動作単電荷メモリを作製し、特性評価を行った。1.について。カーボンナノチューブと金属電極間にショットキー障壁からなるトンネル障壁を形成し、トンネル障壁の厚さをゲート電圧で変化させることにより、共鳴トンネルトランジスタ、近藤共鳴状態、単電子トランジスタ、3つの特性を実現する。将来、このデバイスを応用し、ハードウェアプログラマブル回路を実現できる。これは、演算のプログラムをソフトウェアのみで行わず、都度、回路を電気的に組み替えて、ハードウェアにおいてもプログラミングすることにより、演算の高速化、省エネルギー化を実現できるものである。2.について。カーボンナノチューブ周囲を取り囲むようにトンネル障壁として酸化アルミ、その外側に電荷保持層として窒化シリコン、さらに外側に絶縁膜として酸化アルミを形成し、ゲート電極を最上層に形成した。印加ゲート電圧を制御することにより、電荷保持層に電子、または、正孔を一つずつ保持することができる。保持電荷の数に応じて、カーボンナノチューブを流れるドレイン電流が変化するので、多値メモリとして動作する。カーボンナノチューブ周囲にメモリ構造を形成することにより、電界が集中し、電荷保持層への電荷の出し入れが低い電圧で可能となる。この単電荷メモリ特性は、室温において得られている。
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Japanese Journal of Applied Physics
巻: 50 ページ: 015101-"015101-5"
Carbon Nanotubes
巻: 1 ページ: 187-205