研究概要 |
本年度は,ネットワーク基盤技術の開発,およびマルチコアCPU設計のための実験評価を実施した. 1.高密度地震観測システムのためのネットワーク基盤技術の開発構造解析においては分散設置されたノード間の揺れ方の相関が重要となるため,すべてのノードが同期してサンプリングを行う必要がある.これに向けて,時刻同期機構,MACプロトコル,クスクスケジューリングまでをも統合的に検討し,最大ジックが3.4usとなる同期サンプリング機構を開発した. 2.マルチコアCPUの設計に向けたタスクの特性評価現存する無線センサノードは,無線通信,計算処理,サンプリング等,複数のタスクを1つのCPUで並列実行しており,スケジューリングの不確定性により測定誤差の増大,パケットロスの発生などの問題が生じる.この問題に対して,CPUをマルチコア化し1つのコアに1つのクスクを割り振ることで不確定性を除去するアーキテクチヤを提案し検討評価を行った. 3.高密度地震観測システムの初期的実装および運用評価1.で開発したネットワーク基盤技術を用いて,地震観測システムの初期的実装および運用評価を行った.さらに,取得し九地震波形から構造物の健全性を示す層間変型角を算出し,本システムの実用性を示した.平成21年度以降のマルチコア化を見据え,2つのCPUを具備するセンサノードを開発しシステムの構築を行った.2つのCPUが低速なバスで接続されているためCPU間通信のオーバーヘッドは大きいものの,加速度値の信号処理,ネットワーク処理を切り分けることにより,高精度なサンプリング,頑健なネットワークの実現に有効であった.
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