20年度、本研究員は、2本の査読論文を執筆、投稿した(いぜれも審査後修正中)。日本社会学会の「社会学評論」に投稿した「禁止と文化的アイデンティティ-韓国における子供文化と日本大衆文化の軌跡」は、今日韓国の文化的アイデンティティにおいて日本大衆文化に対する経験の蓄積がきわめて大きな位置を占めているという観点から、その日本大衆文化に対する戦後数十年にわたる「禁止」に焦点をあて、それはいかなるものであって、実際どのように遂行されていたのかを考察することを目的とした。そして、1)1960-80年に子供文化において日本大衆文化かきわめて重要な位置を占めていたこと、2)それに対する批判的言説はつねに存在していたものの、実際直接的かつ強制的規制は不在に近いものであったことを明らかにした。
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