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2008 年度 実績報告書

セルロース誘導体における置換基分布の新規評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08J11173
研究機関京都府立大学

研究代表者

米田 夕子  京都府立大学, 生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードセルロース / 加水分解反応 / 置換基効果
研究概要

グルコースを用いて、さまざまな置換パターンを有するメチルセルロース誘導体モデル化合物の合成法を開発し、これらの合成を行なった。単糖モデル化合物では、1位および4位をメチル基で置換しセルロース鎖を再現した。2,3,6位には水酸基あるいはメチル基を導入し、全8通り(2^3=8)の置換様式をもつモデル化合物の合成に成功した。この合成法では、4位メチル基の代わりに糖残基を導入することで、二糖・三糖モデル化合物の合成が可能となるように工夫されたものである。
次に、グリコシド結合の加水分解反応において、大きな置換基効果を発揮するリガンドの検索を行なった。その結果、6位水酸基を塩素基、tert-ブチルジフェニルシリル基(TBDPS基)で置換すれば大きな置換基効果が得られることを見出し、この導入方法を最適化した。さらに、これらリガンドを導入したモデル化合物について加水分解試験を行い、置換基効果について検討した。その結果、電子吸引性基である塩素基の導入により加水分解が大きく制御され、特定の加水分解条件下では事実上加水分解を惹起させ得ぬ事を見出した。一方、TBDPS基は、電子供与性であるので加水分解を促進することが予測されたが、逆に加水分解を制御することが判明した。この現象は、かさ高いTBDPS基の立体障害により加水分解試薬のグリコシド結合への接近が阻害されたためであると考えられる。これらの結果から、グリコシド結合の加水分解反応には、置換基効果として電気的効果だけではなく、かさ高さによる効果が影響することを実証した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Synthesis of the perdeuterated cellulose solvents N-methylmorpholine N-oxide (NMMO-d_<11> and NMMO-^<15>N-d_<11>), N, N-dimethylacetamide (DMAc-d_9 and DMAc-^<15>N-d_9), 1-ethyl-3-methylimidazolium acetate (EMIM-OAc-d_<14>) and 1-butyl-3-methylimidazolium acetate (BMIM-OAc-d_<18>)2009

    • 著者名/発表者名
      Christian Adelwohrer
    • 雑誌名

      Cellulose 16

      ページ: 130-150

    • 査読あり
  • [雑誌論文] van der Waals versus Hydrogen-Bonding Fortes in a Crystalline Analog of cellotetraose : Cyclohexyl 4'-O-Cyclohexyl-β-D-Cellobioside Cyclohexane solvate2008

    • 著者名/発表者名
      Yuko Yoneda
    • 雑誌名

      Journal of American Chemical Society 130

      ページ: 16678-16690

    • 査読あり
  • [学会発表] セルロース誘導体の解重合反応に及ぼす置換基効果(2)-単糖モデルの加水分解性-2008

    • 著者名/発表者名
      米田夕子
    • 学会等名
      第59回日本木材学会大会
    • 発表場所
      松本大学
    • 年月日
      20080315-20080317
  • [学会発表] Synthesis of novel cellodextrins as cellulose model compounds2008

    • 著者名/発表者名
      Yuko Yoneda
    • 学会等名
      平成20年度「戦略的大学連携支援事業」先端科学セミナー京都 ケミカルバイオロジーシンポジウム
    • 発表場所
      京都府立大学
    • 年月日
      2008-12-15
  • [学会発表] セルロース誘導体の解重合反応に及ぼす置換基効果2008

    • 著者名/発表者名
      米田夕子
    • 学会等名
      平成20年度「戦略的大学連携支援事業」先端科学セミナー京都 ケミカルバイオロジーシンポジウム
    • 発表場所
      京都府立大学
    • 年月日
      2008-12-15
  • [学会発表] 固体NMRを用いたセルロース溶解機構の解析2008

    • 著者名/発表者名
      米田夕子
    • 学会等名
      日本農芸化学会関西支部第454回講演会
    • 発表場所
      京都府立大学
    • 年月日
      2008-05-31

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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