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2008 年度 実績報告書

西アジアにおけるイラン系王朝史の考古学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08J11310
研究機関東京大学

研究代表者

有松 唯  東京大学, 総合研究博物館, 特別研究員(DC2)

キーワード遺跡分布 / イラン北東部 / アゼルバイジャン
研究概要

(1)アゼルバイジャン共和国での現地調査
アゼルバイジャン当局がアゼルバイジャン西部で実施している発掘調査の見学、周辺地域の略式踏査と関連遺跡及び博物館の見学を行った。アゼルバイジャン共和国は近年欧米による考古学的調査が盛んになり、時代を問わず注目されてきている。しかし日本では最新の情報を入手し難い。今回の訪問によって現地考古学者との交流と調査の現状把握をすることができたのは大きな収穫だった。また遺跡踏査と博物館見学において考古遺物を実見した結果、自身が研究対象とするイラン北部との物質文化の関連性が確認できた。研究の視野が広がると同時に、今後の具体的展望が得られたと思う。
(2)フランス、ルネ・ギヌヴェ研究所でのトゥラン・テペ遺跡関連データ整理
トゥラン・テペTureng Tepe遺跡はイラン北東部、ゴルガーン平原に位置する。銅石器時代からイスラム時代にかけての層序が確認されていて、当該地域で編年基準となり得る唯一の遺跡といえる。本調査では発掘調査時に作成された平面図、層位図、レベル及び出土遺物データの再整理を実施した。出土遺物の整理・研究、それに基づく編年研究(管理責任者serge Cleuziou博士の許可は取得済み)を前提とした作業となる。出土遺物以外の発掘時のデータはすべて、フランス、パリ郊外のナンテールにあるルネ・ギヌヴェ研究所に保管されている。それにより従来報告されていたよりも鉄器時代の層序を細分し得るデータを確認することができた。今後はこれを編年の確立に結びつける方向で、研究を展開させたい。
(3)イラン北西部採集資料調査及び遺跡見学自身が研究対象地域としているイラン北西部で近年、イラン考古局が網羅的な踏査を行った。しかし具体的な遺跡分布状況や採集資料は未発表であった。今回の調査は未報告遺物の資料化と関連遺跡の見学を行った。イラン当局はイラン北西部の中でも特に、3地域においてGPSを用いた網羅的な踏査を実施した。イラン北西部の中央をエルボルズ山脈からカスピ海に注ぐセフィード・ルード川の東岸と、ダルファク山の東部に広がるデーラマン盆地、さらに北西側のアムラシュ地域である。いずれも、当該地域中でも有数の遺跡密集地として知られている。今回の調査ではこのうち前者2地域から得られた資料を実見した。実見した遺物は主に土器で、約250遺跡から採集されている。また、踏査で明らかになった未公表の遺跡分布のGPSデータをイラン考古局から提供してもらい、出版の了承も得た。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 東京大学総合研究博物館標本資料報告第76号 東京大学総合研究博物館考古美術(西アジア)部門所蔵 考古学資料目録第9部 西アジア各地における購入・採集土器2009

    • 著者名/発表者名
      有松唯, 三國博子, 小川やよい, 西秋良宏
    • 総ページ数
      207
    • 出版者
      東京大学総合研究博物館

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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