研究課題
本研究では、高解像度3バンド画像と低解像度スペクトル情報から、高解像度のスペクトル画像を生成する、複合解像度型分光イメージング手法を提案し、有効性を示してきた。今年度は、複合解像度型の手法で分光画像を取得する原理を整理し、誤差なく分光画像を取得できる条件を明らかにした。また、イメージセンサの各画素に異なる多色のカラーフィルタを配したマルチスペクトルフィルタアレイ(MSFA)方式のセンサで取得できるデータを、低解像度スペクトル情報とみなし、RGBイメージセンサと組み合わせて、複合解像度型イメージングを実現する方法を提案した。さらに、単板のイメージセンサに、RGBのカラーフィルタと16色のカラーフィルタを異なる密度で配置して画像を取得し、16バンドの画像を復元する手法へも発展させた。この成果により、4板~単板のイメージセンサによりリアルタイムのマルチスペクトルイメージングの実現可能性が示された。また、低解像度スペクトル画像を収集するデバイスとして、ファイバータイプの低解像度スペクトルイメージングセンサを試作した。空間方向の画素数は68画素と少ないが、各画素における可視域のスペクトルを動画として取得できる。さらに、ハイダイナミックレンジ(HDR)画像入出力の技術を、マルチスペクトルイメージングに応用し、特に金属光沢に対して、視覚的な忠実性の向上の可能性について検討した。6バンドHDR画像を取得して、各種トーンマッピングを適用して表示した画像に対して、質感や光沢感などの再現性について主観評価実験を実施した。その結果、マルチスペクトルで正確な色情報を取得すると共に、HDR技術を導入して光沢を適切に表現することで、金属光沢の再現性が向上することが示された。以上の成果により、新しい小型のマルチスペクトル映像入力手段を示すと共に、色再現のみならず質感再現の向上にも寄与することを明らかにした。
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巻: (掲載確定)