電位依存性プロトンチャネルの生理機能の解明のために現在までに、このチャネルのノックアウトマウスを作製した。このマウスは正常に発生し、正常に交配もできるが、生後半年以上経たマウスでは明らかな脾臓肥大が認められた。脾臓を調べてみると、胚中心が形成されていることがわかり、免疫活性が上昇していることが示唆された。また尿検査をしてみるとたんぱく尿が出現していることがわかった。血液の生化学検査でも血中尿素窒素、クレアチニンの値が上昇しており、腎機能障害が示唆される。 一方で細胞レベルでの解析ではマクロファージの貪食機能に注目して、解析を行っているが、今のところ野生型とノックアウトマウスの細胞で際立った差は見られない。しかし僅かな差が個体レベルで大きな差となって現れることもあることから、現在はさらに細かいレベルで解析を行っている。また、B細胞機能の異常も疑われることから、B細胞の機能も現在解析中である。
|