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1997 年度 実績報告書

フィリピン・ビサヤ海域における民俗技術・知識の動態的運用に関する社会人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09041004
研究種目

国際学術研究

応募区分学術調査
研究機関筑波大学

研究代表者

牛島 巌  筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (10091886)

研究分担者 ABAYA Euraci  フィリピン大学, 人文科学部, 助教授
川田 牧人  中京大学, 社会学部, 講師 (30260110)
亘 純吉  駒沢女子大学, 人文学部, 教授 (60099546)
矢野 敬生  早稲田大学, 人間科学部, 教授 (40200555)
関 一敏  筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (50179321)
キーワードフィリピン / 家内工業 / 取引関係 / 造船技術 / 移動と定着 / ビサヤ内海
研究概要

本研究目的は、フィリピン・ビサヤ内海域において、諸職、商人、呪的職能者が家内的に伝承してきた技術と知識を対照とし、その実践的運用と自らの社会的配置を生かした生活戦略の実態を解明するものである。
ビサヤ地域には干物製造、素焼き品生産、鍛冶業などが家内生産されている。この様式は、小資本で創設でき、伝統的な技術を用い、雇用問題に貢献できる。しかしいずれも運転資金を仲買商人などに依存する。この市場セクターから生産セクターにいたる資金の流れは、取引相手の網の目、つまり個人的二者関係を通じてなされる。この意味でビサヤ地域の家内工業は市場セクターの統御のもとでのみ展開されている。
フィリピンのマリンドゥケ島には、ボホール島からバンカとよばれるアウトリガーを備えた小型のカヌーの製作技術を保有する人々が移住し一つの集落を形成している。周辺集落の住民は、その技術を高く評価し、造船の村として認知している。この集落の住民が他の集落に移住するさいには、親族や友人の手を借りて作ったバンカをもち、移住先でこの船を資本に漁業を営なむ傾向がある。そして、新たな資本を蓄積し、さらなる造船をおこない、船主や網元として定着した集落の漁業経営の拡大をめざす。出自を同じくする人々の移動と定着の戦略の一つが浮上してきた。今後、移住にいたる社会的な背景、造船技術のネットワーク、漁業経営方針、緊急時のネットワークなどの関係をとおして技術と移動の問題を深化させる必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Iwao Ushijima & Cynthia Neri Zayas: "Binisaya nga Kinabuhi, Visayan Life VISAYAS MARITIME ANTHROPOLOGICAL STUDIES II, 1993-1995" CSSP PUBLICATIONS COLLEGE OF SOCIAL SCIENCES AND PHILOPOPHY UNIVERSITY OF THE PHILIPPINES DILIMAN, QUEZON CITY, 297 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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