研究課題/領域番号 |
09041017
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福井 捷明 京都大学, 東南アジアセンター, 教授 (10027584)
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研究分担者 |
MUNDARDJITO インドネシア大学文学部, 教授
SRISAKRA Val シラパコーン大学, 考古学部, 助教授
桃木 至朗 大阪大学, 文学部, 助教授 (40182183)
足立 明 北海道大学, 文学部, 教授 (90212513)
伊東 利勝 愛知大学, 文学部, 教授 (60148228)
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キーワード | 東南アジア / 半乾燥地 / 侵食平原 / ヒュー / バガン / アンコール / チャムパ / ジャワ / ヴァラヴァティー |
研究概要 |
平成10年度は、本計画が対象としている6つの相対的乾燥地のうちの2ヶ所の現地を調査し、国内においては、国際セミナーを開催した。また、東北タイ・コラート高原に関しては、タイ人研究者を3週間余、日本に招聘し集約的に共同研究行った。 1. 中部ベトナム調査。従来、チャムパは、専ら海域交易をその経済的基盤としていたと考えられていたが、この見方は見直されるべきであろう。その際(a)伝統的には短日条件下で生育・登熟する稲品種と潮汐灌漑が必要なこと、(b)山地民と平地民の関係、(c)更新世台地の土地利用、(d)玄武岩地帯からの海域交易産品の産出などに着目すべきである。 2. スリランカ・ドライゾーン調査:本地域は、気候的、地形的に東北タイ、カンボジア平原とよく類似しているにもかかわらず天水稲作が存在せず、全てが溜池灌漑だある点に注目した。本地域では土壌の透水性が高く、天水用は不可能えあると考えられる。スリランカ最北部の石灰岩質土壌地帯では粘土層によって水の浸透が防げられるので天水田が存在することが、この考え方を補強している。本地域の稲作のもうひとつの特徴は、全てが湿田直播法によっていることである。このため播種時には田面水は完全に排水されておらねばならない。このことが雨季期間中の耕作開始を遅らせ、雨季が進んでからの播種を必要としている。これが溜池灌漑を必要とするもう一つの理由であると思われる。 3. 国際セミナー:このセミナーは、日本学術振興会拠点大学事業による京都大学-タマサート大学主催の年次セミナーで、本研究計画が企画、立案、実施したものである。セミナーは平成10年10月13日〜16日、京大会館で行われ、約70人が参加し、19の発表があった。ここでは、半乾燥地研究のこれまでの成果が総括され、問題点を討議し、今後の研究の進め方が諮られた。 4. 招へい外国人との共同研究:平成11年2月4日〜3月1日、タイ人研究者を招へいし、東北タイ、コラート高原の地形発達史に関して集約的な共同研究を行った。
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