研究課題/領域番号 |
09041031
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
遠藤 織枝 文教大学, 文学部, 教授 (10203663)
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研究分担者 |
黄 雪貞 中国社会科学院, 研究員
李 奇楠 北京大学, 東方系, 講師
桜井 隆 明海大学, 外国語学部, 助教授 (60255031)
劉 穎 成城大学, 文芸学部, 講師
陳 力衛 目白短期大学, 講師 (60269470)
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キーワード | 中国女文字 / 女書 / 湖南省江永県 / 何艶新 / 何静幸 / 陽煥宜 |
研究概要 |
中国女文字の残存状況を伝承者の面と、資料の面から調査研究を行っている。伝承者陽煥宜は90歳の高齢のため、記憶力もおとろえ正確な文字は書けなくなっている。94年に遠藤らの調査でその存在が明らかになった何艶新の筆記しうる文字の実態を調査しているが、およそ550の文字が書け、古くからの歌でも自分の思いを述べる歌でも不自由なく筆記できる。 98年度には新たな伝承者が出現した。97年の調査のとき、歌を多く知っている人として調査対象としていた何静幸が、1年の間に文字を復活していた。娘時代に覚えた文字を、97年の被調査者となったのをきっかけに、思い出し、文字のコピーをみてほぼ完全に書けるようになっていた。遠藤らの調査が新しい伝承者を育てたことになる。何静幸の文字力は80年代の伝承者高銀仙と比べても遜色がないことも調査の結果わかっている。文字資料の残存状況については、50以上の村々のうち、さらに徹底的綿密な調査を行えば、まだ発見の余地はありそうである。
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