研究課題/領域番号 |
09041032
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
禿 仁志 東海大学, 文学部, 教授 (10186009)
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研究分担者 |
金原 保夫 東海大学, 文学部, 教授 (20161614)
田尾 誠敏 東海大学, 文学部, 助手 (90216599)
関根 孝夫 東海大学, 文学部, 教授 (70119684)
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キーワード | ブルガリア / テル遺跡 / 青銅器時代 / 集落 / 発掘 / 住居址 / カマド址 / 礫敷き道路 |
研究概要 |
ブルガリア・トラキア平野中に所在する先史遺跡テル・デャドヴォの平成11年度発掘調査によって得られた知見を以下に記す: 1)調査区の一部に開けたトレンチにより、全長25mにわたる青銅器時代文化層全体の土層堆積図を作成した。トラキアにおける青銅器時代の開始問題、集落の変遷、編年確立への基礎資料となるものである。 2)集落中央部をほぼ東西に走る「礫敷き道路」の精査を行い、礫敷き中から多数検出されていた獣骨を含め、礫の分布微細図を作成した。「礫敷き道路」は集落の東門から集落中央部へ向かうが、上層で検出された「環濠」と同じく、集落中央部で南方へ湾曲することも確かめられた。この「礫敷き道路」に沿って住居が規則的に並ぶことも推測された。これらは集落の構造を知る上で貴重な資料となるものである。 3)前年一部が調査されていた住居を全面調査した(10号住居)。少なくとも2枚の床面があり、多数の炭化穀粒や炭化果核が遺存していた。これらは当時の生業の実態を具体的に示す資料である。 4)住居床面より検出された女性粘土像"ヴィーナス像"(土偶)は本遺跡2例目の検出であり、当時の精神世界を探る上で貴重な資料である。 5)カマドの調査を更に進めた。「燃焼面」での「帯磁率」測定はカマド使用の実態を明らかにする資料となるであろう。 6)調査基地において既発掘資料の再整理を進めた。
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