研究課題
国際学術研究
1.資料収集としては、8月1日〜同31日の期間、12名の共同研究者及び助手を南投県中興新村にある台湾省文献委員会に派遣して、主に明治30年代までの「台湾総督府文書」と明治期の台湾統治関係史料を収集し、その一部をデータベース化した。又、「台湾総督府文書」のなかの「台湾総督府公文類纂」の目録については明治35年分までを編纂し、明治32年分については本年3月31日に『台湾総督府文書目録』第4巻としてゆまに書房から出版に同33年分については本年12月に発刊を予定している。2.台湾統治史研究については、従来の研究を統括し今後の研究課題を明らかにするために、4月19日(中京大学)、9月26日〜28日(中京大学)、12月6日(早稲田大学)で検討会を行った。特に、9月26日〜28日の研究会議は来日中の台湾人研究者10名がレポーターとして参加したことから、合同研究会議とし、日台両国における研究の現状と問題点を討議し、今後の研究課題を模索した。又、研究打ち合わせ会議として、「台湾総督府文書」の収集及び編纂並びに破損文書の修復などについての、理論的且つ技術的な問題について検討するとともに、今後予定されている「台湾総督府文書」の一般公開にむけた文書管理・保存並びに利用方法についての我々側の基本的考え方の統一を図った。3.台湾省文献委員会での文書収集と編纂作業においては、中央研究院台湾史研究所籌備処の研究員が参加し我々に協力した。これは、同研究所からなされた台湾総督府文書についての文書学的・歴史学的知識の提供と文書目録編纂についての人材育成の要望を受け入れたためである。これにより、日台両国研究者の学術協力関係構築の新たな形が出来上がったことを意味していよう。