研究課題/領域番号 |
09041034
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研究機関 | 京都外国語大学 |
研究代表者 |
大井 邦明 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (20183220)
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研究分担者 |
伊藤 伸幸 名古屋大学, 文学部, 助手 (40273205)
桜井 三枝子 大阪経済大学, 経営学部, 助教授 (90235226)
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キーワード | メソアメリカ / エル・サルバドル / 先住民文化 / チャルチュアバ遺跡 / ナワ文化 / 土製建築 / 考古学 / 歴史民族学 |
研究概要 |
1999年度は前年度までの調査の継続及び調査資料の整理・研究を行った。 考古学部門は調査対象としたチャルチュアパ遺跡カサ・ブランカ地区における3基の土製建造物を調査し保存するために、更なる詳細な発掘と修復を進めた。2000年3月には、発掘が及んだ建造物の固定修復を終え、所期の目的であった土製建築に関する新たな知見を得た。カサ・ブランカ地区では、紀元前2〜紀元2世紀及び6〜10世紀の土製建築の様式と構造を明らかにすることができ、同時に、修復保存のための調査とその処置を施すことにより、建築法や建材の一端を知り且つ遺跡の一般公開への道を開いた。出土資料の研究もほぼ終り、特筆すべき点として、スペイン征服時における最大勢力であったピピル集団の起源を考古学的に実証できるデータが得られた。この考古学上の成果によって、これまで不明瞭であったピピルが属するナワ集団の歴史的動向について、同集団とメキシコ中央高原及び同西部地方との関係を追及することと、考古学的文献学的研究を前進させることが可能となった。 文献史からは、チャルチュアパ市のサンティアゴ・アポストル教会に関する史料の研究を進め、宗教美術の歴史をまとめた。また聖週間の文化人類的調査を同市において実施した。民俗学的部門は、ピピル村落の住文化と家族、伝統文化として伝わる染料と染色についていくつかの点を掘り起こし、考古学的遺物の解釈にも寄与した。言語学的調査ではピピル語の語彙収集を行い、メキシコのナワ語との比較研究を一歩進めた。
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