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1999 年度 研究成果報告書概要

身体的コミュニケーションの比較民族学的研究-身体接触と身体共鳴を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 09041043
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究分野 文化人類学(含民族学・民俗学)
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

野村 雅一  国立民族学博物館, 民族学研究開発センター, 教授 (60142014)

研究分担者 卜田 隆嗣  大阪教育大学, 助教授 (40202113)
中川 真  京都市立芸術大学, 音楽部, 助教授 (40135637)
北村 光二  弘前大学, 人文学部, 教授 (20161490)
山口 恵里子  筑波大学, 現代語・現代文化学系, 講師 (20292493)
藤田 隆則  大阪国際女子大学, 人間学部, 助教授 (20209050)
研究期間 (年度) 1997 – 1999
キーワード身体 / コミュニケーション / あいさつ / 身体接触 / 身体共鳴 / 身体技術 / 舞踊 / マイム
研究概要

身体的コミュニケーションは従来もっぱら実験室での心理学的研究にかぎられていた。しかも、非言語的コミュニケーションのよび名で身体は他の諸事象といっしょにひとくくりにされてきた。本研究は人間のコミュニケーションにおける身体の根源的な役割を、生活環境をことにする世界各地の社会で比較検討しようとするものである。対人コミュニケーションは人と人が近接する際に生じるのっぴきならぬ相互関与であるとする前提にたって、身体接触と身体共鳴を中心に調査をおこなった。身体接触は複数の人間が接近するときのあいさつ行動からはじまるが、日常的あいさつを欠く社会が多いことや接触あいさつの慣習をもつ社会にも接触忌避の傾向がかなりつよくみられることなどが明らかになった。それはまた身体接触がもっとも根本的なコミュニケーションの様式である証左といえる。共在する親しいもの同士がたがいに相手の動きをなぞるように動く身体共鳴や、似かよった姿勢をとる姿勢反響の現象は、調査したいずれの社会にもみられるが、それはたんなる生理的反応ではなく、場面的文脈をかたちづくる文化的意味を持つことが検証された。しかし、身体共鳴や反響は文化変容のはげしい今日的状況のなかでその意味を喪失し、機能不全におちいる傾向がボルネオ島の少数民族のあいだでさえ観察された。
共鳴も反響も文化的なものであり、いわゆる身体技術の形式にほかならないが、本研究では最後に世界各地の職業的パフォーマーの身体演技法について映像資料を作成し、身体表現の論理と可能性をさぐった。

  • 研究成果

    (22件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (22件)

  • [文献書誌] 中川 真: "Kesenian Pesta Pela"京都市立芸術大学『研究紀要 ハルモニア』. 第29号. 16-31 (1999)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 北村 光二: "コミュニケーションからみた「言語の起源」"弘前大学『人文社会論叢』(人文科学篇). 第2号. 45-70 (1999)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 野村 雅一: "ヨーロッパの食事作法"講座 食の文化. 第5巻. 57-103 (1999)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 山口 惠里子: "プードワールの女たちと笑う理髪師-ピアズリーの女性像-"英語青年. 144・5. 17-20 (1998)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 山口 惠里子: "椅子にすわる女性の肖像"筑波英学展望. 17. 17-47 (1998)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 野村 雅一: "技術としての身体-20世紀の研究史から"『技術としての身体』大修館書店. 8-20 (1999)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 野村 雅一: "坐の文化と安楽な姿勢"『技術としての身体』大修館書店. 288-303 (1999)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 野村 雅一: "礼の風景--接吻・握手・おじぎ"武庫川女子大学生活美学研究所紀要. 7. 1-9 (1997)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 卜田 隆嗣: "身体・感覚・宗教--ボルネオ島の事例から"記号学研究(日本記号学会). 17. 117-126 (1997)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 山口 惠里子: "お尻の時代をめぐる考察"中央公論. 3月号. 238-249 (1998)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 山口 惠里子: "椅子にすわる女性の肖像--エリザベス・シダルの場合"筑波英学展望. 17. 18-47 (1998)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 野村 雅一: "親子の接触コミュニケーション"児童心理. 4月号. 107-112 (1999)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 野村 雅一: "ひげと手の政治"IS. 81. 55-60 (1999)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 卜田隆嗣: "『講座人間お環境-自然の音・文化の音-環境との響きあい』"「中央ボルネオの森・カミ・表象-プナンとクニャ」昭和堂. 64-87 (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 中川 真: "「音楽」の外で『芸術における近代』"ミネルヴァ書房. 281-302 (1999)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 中川 真: "祈りの歌『武満徹 音の河のゆくえ』"平凡社. 144-157 (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 中川 真: "Musik dan Kosmos.Sebuah Penganter Etnomusikologi."Yayasan Obor Indonesia:Jakarta. (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 中川 真: "Kyoto-Klange Kosmos."Merve Verlag:Berlin. (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 卜田 隆嗣: "岩波講座文化人類学10 神話とメディア"岩波書店. 269(209-228) (1997)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 山口 惠里子: "身体と文化 第1巻 技術としての身体"大修館書店 「オリエント三態--眠り、流浪、グロテスク」. 447(254-287) (1998)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 野村 雅一: "岩波講座文化人類学3 「もの」の人間世界"岩波書店. 281(25-42) (1997)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 藤田 隆嗣: "能の多人数合唱"ひつじ書房. 331 (2000)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2002-03-26  

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