研究課題
基盤研究(A)
1平成9年度平成9年度は前漢陵調査を実施した。また類例調査として北京市金陵、河南省前漢王墓の踏査を行った。前漢陵の調査は11月に行い、前漢陵11基、前漢王陵4基を踏査した。調査方法は陵に関連する地上遺構の悉皆踏査を基本方針とし、現状を記録した。記録方法は、写真撮影、実測、観察に基づく三種類である。これにより、皇帝陵と皇后陵、陪葬墓の位置関係が明らかとなり、山陵型式の覇陵を除く10陵がおおよそ同じ設計理念で造営されていることが判明した。2平成10年度平成10年度は唐陵調査を実施した。5月と10月に延べ1ヶ月間にわたって陝西省内の唐陵12基、隋陵1基、北周陵1基を新規踏査した。さらに踏査記録の遺漏・不備を補うために、平成11年3月に唐陵9基の補足調査を行った。調査方法は昨年度と同じ方式をとった。詳細な測量は実施できなかったが、必要に応じてG.P.Sを利用して地形図への記載を図り、空間把握に努めた。また、昨年度と今年度の踏査時に採集した瓦、磚などの遺物の整理を行い、採拓、実測、写真撮影を実施した。3平成11年度平成11年度は、昨年度に引き続いて唐陵の調査を実施した。10月に陝西省内の唐祖陵2基の新規踏査と唐陵7基の補足踏査を実施した。これにより陝西省内の前漢、北朝、隋、唐の全皇帝陵の踏査を完遂した。調査方法は昨年度と同じ方式をとった。調査記録について整理を行い、データベース化を果たした。また、昨年度に引き続いて踏査時に採集した瓦、磚などの遺物の整理を行い、採拓、実測、写真撮影を実施した。これにより、各陵が同じ設計理念を持ちつつも、独自の陵園設定をしていること、石刻表現が橋陵と泰陵との間で画期があり、全体として写実表現から画一表現へと変化することが判明した。
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中国考古学 第2号
ページ: 140-150
Chinese Archaeology(Japan-China Archaeological Society) no. 2
日本考古学の基礎研究
ページ: 356-382
Basic Study of Japanese Archaeology(Ibaragi University)