研究課題/領域番号 |
09041046
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
太田原 高昭 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70002061)
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研究分担者 |
志賀 永一 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (50235511)
坂下 明彦 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (70170595)
黒河 功 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90125310)
岩崎 徹 札幌大学, 経済学部, 教授 (90104900)
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キーワード | WTO / 韓国農業 / 高齢化 / 中山間地域 / 平場地域 / Uターン / 農業協同組合 |
研究概要 |
本研究は、東アジア地域を対象として、WTO体制下の農業構造の転換とそのもとでの農村協同組合組織の再編動向を、対象地域の研究者と連携しながら究明することを課題としている。第3年度は、日本と同様に構造調整のもとにある韓国を主たる調査対象地とし、中国山東省ならびに台湾の補足調査を実施した。最終年度であるため、韓国・台湾の研究者を招聘して、総括シンポジウムを開催した。 韓国における農村調査は、中山間地域(忠清北道)と平場水稲単作地域(全羅北道)の2ヶ所で実施したが、その研究概要は以下の通りである。中山間地域においては、日本と同様高齢化が進展し、農家戸数の減少が顕著であるが、従来見られなかった高齢者のUターン現象が見られたことが1つのファクトファインディングである。相続形態の影響もあり「1代農業」としての認識が強いためか、高齢農家においてもトウガラシ、タバコ、高麗人参などの集約的作目を導入しており、当面の担い手問題は回避されているのが特徴である。平場農村においては、北海道と同様に規模拡大のテンポが速まっており、10ha以上の稲作単作経営の形成が認められた。地価水準は全国的に頭打ち傾向にあるが、旺盛な土地拡大意欲の存在により下落傾向にはない。これに対し、借地料に関しては、従来の不在地主の所有地から現物小作料の引き下げが生じている。米価水準の低下や籾販売の主流化など、米をめぐる環境は激変しているが、それに対する農家の反応も素早いものがあるといえる。両者ともに、販売対応における農業協同組合の役割が大きくなっており、調査事例においては農協機能の充実が認められた。
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