最終年度に当たる本年度は、前年度の本アンケート結果をデータベース化し、データの分析と考察が行われた。 データは、まずクロス分析が行われ、三つの被験者グループ(フランデレン地区被験者、ワロン地区被験者、ブリュッセル地区被験者)ごとの集団特性が抽出された。 また、異文化接触に起因したステレオタイプを抽出するため、各集団間のオート・ステレオタイプ(自己集団のイメージ)、ヘテロ・ステレオタイプ(他集団のイメージ)が品質形容詞により抽出され、各集団間の特性が記述された。 EUが推進する言語文化政策に対応する形で進められているベルギー連邦化の言語文化政策のモデル化を進め、EUの目指す政治レベル、文化レベルでの総合プロセスの原型が、ベルギーの連邦化モデルと対応関係にあることが検証された。 よって、将来、EUレベルで展開する異文化接触に起因する集団間のステレオタイプの形成に、ベルギーの異文化ステレオタイプモデルの応用が可能となり、異文化接触に起因した軌轢、紛争問題解決のモデルケースとなり得る可能性が大きいという結論が導き出された。
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