研究課題/領域番号 |
09041048
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
佐々木 市夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70125384)
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研究分担者 |
大江 靖雄 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (60302535)
長南 史男 北海道大学, 農学部, 教授 (00113697)
中原 准一 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (60048121)
淡路 和則 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (90201904)
樋口 昭則 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40250534)
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キーワード | 環境-農業政策 / 環境保全型農業 / 肥料規制 / 糞尿処理 / バイオガスプラント / 堆肥化 / アグリツーリズモ |
研究概要 |
北欧のデンマークと南欧のイタリアを対象に、環境保全施策の展開と農業の動向に関する調査を実施した。 デンマークは、EU諸国の中でも農業における環境規制が最も厳しく徹底して遂行されている国であり、窒素施与基準量もさらに10%削減する計画を打ち出している。これは、経済的に最大効率値とされていた従前の基準から窒素量を一律削減するものであり、計画自体がエコノミーからエコロジーへと重点を移したことが明らかとなった。また、デンマーク農業では畜産が主力となっているため、糞尿処理問題は深刻であるが、それへの対応としてバイオガスプラントの建設が進行している。最近は生ゴミを一緒に処理することで効率を上げる技術が開発され、都市のゴミ処理問題を軽減しかつプラントの経済効率を上げていることが把握できた。これには、プラント建設への補助のみならず生産電力の売価が差別的に高くなっていることなどが促進要因として作用していることが把握できた。また、こうした糞尿の処理に関連する作業は、農作業請負業者が請け負う形が多くとられており、このような環境保全部門の事業が拡大している現状を確認することができた。 イタリアについては、EU諸国のなかでも環境保全対策が遅れているとされているが、個別経営レベルにおいても環境規制を順守しない事例などが確認された。また、環境保全の観点からアグリツーリズモに関する調査を実施した。アグリツーリズモは、農業者が都市住民を受け入れ宿泊・レクリエーションなどの非農業サービスの活動に従事することにより、従来農業生産が環境に与えていた負荷を軽減するとともに、農業者が農村で自立するため、過疎化の防止と国土保全の役割を果たしている。調査によりその実態とそれを促進する関連施策が明らかとなった。
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