研究課題/領域番号 |
09041048
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
佐々木 市夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70125384)
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研究分担者 |
長南 史男 北海道大学, 農学部, 教授 (00113697)
淡路 和則 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (90201904)
樋口 昭則 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40250534)
大江 靖雄 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (60302535)
中原 准一 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (60048121)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 静脈技術 / リサイクル / 直接規則 / 地下水保全 / アグリツーリズム / バイオガスプラント / 有機農業 / 直接支払 |
研究概要 |
農業環境政策について、西欧を南北に縦断的に捉えた。農用地が国土の3%しかなく人口密度も低いノルウエーでは、農業が原因の環境汚染問題は相対的に小さく、農村部の定住化のために農業を直接支払によって維持することの方が政策的に重要視されている。スウエーデンにおいても同様であるが、寒冷な気候故に農薬使用量が少ないことをアピールし、最もクリーンな農業をマーケテイング戦略にしている。反対に国土の6割以上を農用地が占め、環境保全に対する農業のウエイトが大きいデンマークでは、化学肥料の投入抑制について課税という手段ではなく直接規制という手段を導入した意義とそれを適用させる条件について考察した。また先進的なバイオガスプラントに着目し、家畜糞尿の再利用を物的循環と採算面から具体的に検討を試み、さらなる発展の可能性を示唆した。イタリアにおいては、国土保全と中山間地対策から注目されるアグリツーリズムに着目し、その展開が経営構造に規定されていることを明らかにした。ドイツでは、循環型社会を目指す循環経済法と農業における環境諸規制の関係を整理し、糞尿処理を事例にバイオガスプラントをとりあげ、その進展を促す法制度的環境を明らかにしたうえで、経済的な側面から採算の可能性と問題点を指摘した。また、地下水汚染を取り上げ、合法的農業と汚染者負担の原則、補償と共同負担の原則の関係を整理し、肥料規定と地下水保全政策を対象としてEU、連邦・州、地域の法規制の階層性を検証し、地域条件に応じた制度運用の在り方を明らかにした。さらに、ドイツにおける有機農業の展開を整理し、その経済性を一般農法を比較するとともに、転換補助やマーケティング補助の意義について分析した。以上のような農業環境政策について直接所得補償に焦点を据えて、経営の集約度と立地モデルを用いてその意義を経営経済の観点から解明した。
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