研究課題/領域番号 |
09041050
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
島田 周平 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (90170943)
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研究分担者 |
上田 元 大東文化大学, 国際関係学部, 講師 (10241514)
遠城 明雄 九州大学, 文学部, 助教授 (00243866)
池野 旬 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (40293930)
半澤 和夫 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (60147676)
児玉谷 史郎 一橋大学, 社会学部, 教授 (00234790)
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キーワード | アフリカ小農 / 脆弱性 / 構造調整計画 / ザンビア / タンザニア / ナイジェリア / ガーナ / ポリティカル・エコロジー |
研究概要 |
近年アフリカ諸国の多くは、経済的には世銀/IMF指導型の構造調整計画、政治的には西欧を中心とする自由化の要請を受け大きな変容を遂げつつある。市場の自由化、補助金の削減、政府の権威と統治能力の低下といった変化は、小農及び農村社会に様々な影響を与えてきている。農民達は農業活動を中心とした様々な活動でこれに対応し、その対応の過程で彼らが脆弱性を強めているのではないかというのが本研究の研究課題である。今年度のザンビア、タンザニア、ナイジェリア、ガーナにおける現地調査では、このような課題を解くための基礎データとして、農村地域における様々な変化を把握することに主眼をおいた。 ザンビアのチネナ村における継続調査は、1996/97年度雨季の多雨と肥料価格上昇(構造調整計画による補助金削減)による施肥量減少によるトウモロコシの不作により、多くの農民達は97年の乾季作(ダンボ耕作)に力を入れる一方、商業や炭焼き等の副業も盛んに行っていることが明らかとなった。一方、タンザニアのキルル・ルワミ村では反対に、昨年来の干魃のため食糧事情が逼迫し、さらに昨年の大雨季の降雨が少なく、乾季作のために灌漑用水が確保できず灌漑作が行われない状況となっているにもかかわらず、灌漑作に代わる就業が必ずしも活発に行われていない実状が明らかとなった。 ナイジェリアでは経済不況が続いており、出稼ぎ村として有名な調査地(エビラ地区)でも若者達の農村滞留が見られた。しかし彼らの非農業部門指向は相変わらず消えておらず、彼らは今も農外就業機会を求めていることが分った。これと相応する結果と言えるのが、ガーナの南部諸都市における出稼ぎ労働者の調査結果である。ここでは、都市部インフォーマル部門での経済活動が厳しさを増しているにもかかわらず、北部地域や近隣諸国からの人口流入が増え続けていることが明らかにされた。
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