研究課題/領域番号 |
09041054
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
八木 宏典 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00183666)
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研究分担者 |
木南 章 東京大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (00186305)
永木 正和 筑波大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90003144)
岩元 泉 鹿児島大学, 農学部, 教授 (10193773)
大原 興太郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (70024586)
仲地 宗俊 琉球大学, 農学部, 助教授 (70180312)
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キーワード | ベトナム水田農業 / 経済開放政策 / 農業構造の変化 |
研究概要 |
今年度は、初歩的な研究プロセスとしてベトナム農業の現状を明らかにすべく、現地調査に積極楔に取組んできた。以下に今年度の調査研究の内容について述べる。 1、ベトナム農業食品工業省ほか農業関連機関やカント大学ほか農業大学などを訪問し、ベトナム農業関連の統計資料の収集や専門家(または専門家グループ)との面接調査 2、紅河デルタ及びメコンデルタ地帯の農村集落調査及び農家調査 3、紅河デルタ及びメコンデルタ地帯の米集荷業者、米仲売業者、米小売業者への面接調査 このような調査活動は、最近のベトナム構造変化について最も注目される農地制度の変革、村落の再編成、農業経営構造の変貌を現場から確認するところに重点をおいて行われた。今年度の調査によっては以下のことが明らかになった。 1、ベトナムでは1993年土地法が制定され、いわばそれまで農業生産を担ってきた集団農場が解体した上、家族を単位とする生産主体が創出されたものである。しかし、農家1戸当りの耕地面積は際編めて零細でかつ分散が激しい。 2、ベトナムには、アジア水田社会伝来の村落が存在している。ベトナムではかつて旧来の村落より行政村を中心に集団農場が形成されたが、その間の村落境界をめぐる争い等もあって、農業生産活動の仲に新たに村落が強く意識されている。特に、北部の村落で見られるような、村落共有化した公田の分給は土地集中の防止に働いた村落機能として考えられ、今後の耕地規模拡大に関連して注目に値する。 3、ベトナムでは、ほとんどの農家が極めて零細な耕地基盤の上で、コメを自給しつつ、野菜と家畜、さらに脆弱な兼業でもって現金収入を得、生計を営んでいるのが一般的である。しかし、未だ微々たる動きとないえ、農産物の商品化が進展しつつ、ベトナムの農家経済は大きく変わろうとしている。
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