研究課題/領域番号 |
09041055
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
統計科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岸野 洋久 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00141987)
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研究分担者 |
吉野 諒三 東京大学, 統計数理研究所・領域統計研究系, 助教授 (60220711)
羽生 和紀 日本大学, 文理学部, 専任講師 (00307787)
林 知己夫 東京大学, 統計数理研究所, 名誉教授 (50000188)
長坂 建二 法政大学, 工学部, 教授 (40000187)
鄭 躍軍 東京大学, 統計数理研究所・領域統計研究系, 助手 (80280527)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | リサイクル社会 / リサイクル行動 / 消費行動 / 古紙の需給 / 生産戦略 / 国際比較 / 廃棄物 |
研究概要 |
本研究はリサイクル社会を円滑に機能させるためには、住民のリサイクル行動を越えてシステムを構成する主体を横断的に見通し、また異なる制度を持つ諸外国との比較分析を行い、問題と困難の根源を定量的に描き出すことが最重要という問題意識に基づいている。研究対象を古紙に絞り込んだ。現在のところ回収された古紙の再利用法は再生紙の原料にほぼ限られいることから、真のリサイクル社会を実現するために克服しなければならない問題が早い時点で顕在化することが想定されたからである。さらに、消費者にとって再生紙とバージンパルプ製の選択に自由度の高いものという観点から、トイレットペーパーに特に焦点を当てて調査、分析を行うことにした。ヒアリングと市場調査、社会調査を駆使して、企業の戦略と流通、自治体の政策、住民の消費行動と廃棄物に対する意識の多様性を多面的に実態調査し、国際比較の中で関係主体の利害関係や協調可能性定量的に把握することを目指した。3年間のプロジェクトで 1.日本・ドイツ・スウェーデン・アメリカにおいて、製紙連合会、製紙メーカー、回収業者、卸問屋、印刷会社等、紙リサイクル社会を構成する主たる客体を訪問し、ヒアリングを行った。 2.日本・ドイツ・スウェーデンでトイレットペーパーのブラインドテストとともに、全国消費者のリサイクル行動・消費行動に関する意識調査を行い、リサイクル行動と消費行動を対比分析した。 3.国内製紙メーカーの郵送調査を行い、消費者の購買基準との比較の中で生産戦略を分析した。 4.都内古紙問屋・回収業者の郵送調査を行い、集団回収・助成金に対する意識等を分析した。 5.業界紙を調査し、古紙リサイクルを取り巻く社会経済的背景を調べた。 こうした中で、欧米と日本では静脈部分を中心に産業構造が大きく異なること、一般消費者の消費行動とメーカーを中心とする産業の生産・流通戦略が互いに大きく影響を与えながらリサイクル社会が機能している実態が浮き彫りになった。これらの結果は国際誌Resource,Conservation and Recyclingに一連の論文として発表した。
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