研究課題/領域番号 |
09041061
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村岡 輝三 名古屋大学, 経済学部, 教授 (60089977)
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研究分担者 |
小井川 広志 名古屋学院大学, 経済学部, 助教授 (50247615)
板垣 博 埼玉大学, 経済学部, 教授 (20125884)
公文 溥 法政大学, 社会学部, 教授 (50061239)
安保 哲夫 帝京大学, 経済学部, 教授 (90013028)
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キーワード | 東アジアの経済発展 / 国際競争力 / 日本的経営 / 通貨・経済危機 / NIES系企業 / オセアニアと東アジア・日本 / 技術革新・移転 / 地域協力 |
研究概要 |
1997年7月のタイの通貨バーツ切り下げを機に始まった「アジア通貨・経済危機」の新局面に逢着し、本研究計画は思いもよらぬ波乱な時期に現地調査を実行せねばならなく、少なからず難点に直面したが、全体の現地調査研究計画は予定通り無事実施できた。 尊い現地経験を踏まえた国際学術研究として実績を挙げたと考える。 (1)東アジア諸国・地域の国際競争力の実態が、今回の「通貨・経済危機」を通じて、一定程度明白になったこと。現地調査は、その裏付けをえたことで、東アジア諸国・地域の全体構図が次に3グループに分けて捉えらえた。すなわち(a)「危機」の先発グループであるが、いまや回復に向かういわば回復組:韓国、マレーシア、フィリピン、タイの4カ国がこれに当たる、(b)「危機」がなお継続くいわば低迷組:インドネシア、シンガポール、それに日本もこのグループに入る、計3カ国となる、(c)「危機」がこれから訪れる様相を呈するいわば後発組:台湾、香港、中国のいわゆるスリーチャイナがこのグループに当たる(冊子の序章に収録)。 (2)現地進出の日系企業が「アジア危機」の中でいかに対応し、厳しい課題に取り組んでいるか、その実態が工場調査と聞き取り調査をつうじて把握できたこと。自動車と電機が主な調査対象であるが、商社、金融、観光、一次産業、また下請け企業、中部部圏中堅企業、現地政府機関、民間シンクタンク、さらに現地系企業、NIES(台湾)進出企業等をも訪問の対象に入れた。多角的比較調査と複合的視角による接近に努めた。さしずめ会社記録として纏め、研究の成果の糧とする(冊子の各分担記録を収録)。 (3)「危機」に対するアンケート調査を施し、現地シンクタンク、日系進出企業、NIES系企業等から、多岐にわたる「危機」認識を調べた。貴重なデータと位置づけ、今後の国際学術研究に活用したい(冊子の最終章に収録)。
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