研究課題/領域番号 |
09041067
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
北原 淳 神戸大学, 文学部, 教授 (30107916)
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研究分担者 |
小林 和美 大阪教育大学, 教育学部, 専任講師 (90273804)
山根 真理 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (20242894)
藤井 勝 神戸大学, 文学部, 助教授 (20165343)
山中 美由紀 龍谷大学, 社会学部, 助教授 (90158246)
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キーワード | 韓国 / 地域社会 / ネットワーク / 家族 / 近郊農村 / 両班 / 書院 / 同族 |
研究概要 |
本年度は、7月末から8月にかけて、日本側研究者4名(研究代表者と研究分担者3名)と研究協力者1名が韓国を訪問し、次年度に実施する本調査にむけて準備作業をおこなった。 1.韓国の地域社会を理解するためには、村落を越えたさまざまなネットワークの存在にたいして、日本よりも多くの注意を払わなければならない。そこで日韓研究者で、テグ広域市周辺において、広域ネットワークの結節点となる諸機関を訪問し、概況調査をおこなった。行政機関としては、達城郡守、順興面事務所を、教育機関としては、陶山書院、紹修書院を訪ね、聞き取り調査をおこなった。また親族ネットワークの結節点としては、両班村であるアンドン市近郊の河回村、達城郡花園邑の南平文氏の宗家などを訪ね、聞き取り調査をおこなった。 2.テグ広域市達城郡において、花園邑、河浜面、嘉昌面、玄風面の4つの邑と面をエクステンシブに踏査し、概括的な聞き取り調査を行った。その結果、次年度の本調査では、花園邑と河浜面においてそれぞれインテンシブな調査をおこなうことに決定した。また韓国側研究者の協力により、本調査に必要な印刷資料を収集した。 3.嶺南大学校と啓明大学校を訪問し、次年度の本調査への協力をお願いし、打ち合わせをおこなった。 4.現地での予備調査にもとづき、日韓研究者で協議の上、より具体的な研究課題と対象項目を決定した。 上記の作業をとおして、韓国の地域社会における集落を越えたネットワークの重要性を認識し、従来の1集落のみを対象とした調査方法の限界を確認するにいたった。また、集落の踏査をとおして、韓国の村落は予想以上に多様であり、従来のような同族村=両班村の枠組での調査にはなじまない集落が多数あることがわかった。次年度は、本年度の現地調査によって得たこれらの知見を踏まえて、インテンシブな調査を進めていく予定である。
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