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1997 年度 実績報告書

環日本海諸国における過疎問題の比較調査-韓国・中国・日本を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 09041070
研究機関島根大学

研究代表者

北川 泉  島根大学, 学長 (60032546)

研究分担者 井口 隆史  島根大学, 生物資源科学部, 教授 (70032604)
山本 眞一  島根大学, 教育学部, 教授 (60108785)
廣嶋 清志  島根大学, 法文学部, 教授 (20284010)
富野 暉一郎  島根大学, 法文学部, 教授 (70263499)
保母 武彦  島根大学, 法文学部, 教授 (70127497)
キーワード過疎問題 / 韓国 / 中国 / 農林牧畜業 / 農村集落 / 貧困問題 / 人口問題 / 不均衡発展
研究概要

1.中国については、寧夏回族自治区の南部山区(海原県・経源県・西吉県)において現地調査を実施した。南部山区は、黄土高原の一部を構成する中国でも最も貧しい地域のひとつにあげられている。地域経済の実態や個別農家の生活を把握するための信頼できる統計資料等がないので、もっぱら農家や行政の責任者からの聞き取りによって実態把握を行った。中国西北部の山村においては、一部の地域を除き農業と牧畜が主たる産業であるが、多様な生業的商工業の発達もみられる。しかし、郷鎮企業等による農産加工業の展開はあまり見られない。また、山村でありながらまとまった森林はなく、地域経済にとっての林業は、ほとんど意味を持っていない。農家における経営・家計実態調査の予備的検討はできたので、来年度には、数集落を選定し、全戸調査を実施する予定である。自治区政府による貧困対策は、実施されているようであるが、日本の過疎対策のような総合的な施策はない。
2.韓国の慶尚北道・慶尚南道において現地調査を行い、中山間地域の集落視察と聞き取り、道・群・里の行政機関のヒアリング及び統計資料等の収集を実施した。韓国は統計調査がよく実施されており、現在、その解析を進めているところである。韓国の中山間地域の農村は、工業化・都市化の影響とともにこの国特有の現象かと思われる子弟教育の問題もかかわって急速に人口減少しており、日本以上に過疎化のテンポが速い。急速な大都市化と農村の過疎化の関係は、アジア的な農村問題の発現形態ないし特徴であると考えられる。山林はまだ伐採期に到達しておらず、農業と林業の複合経営が成り立っていないのもこの国の特徴であり、農村の家計調査、収入分析は来年度の課題の一つである。政府の対策は、奥地開発計画があるが、日本のような過疎対策はやられていない。現在、政府で検討されているのはヨーロッパの直接所得補償政策をモデルとするデカップリング政策の導入である。韓国の歴史的、文化的に形成されてきた風土の中で、この政策がいかなる効果を持つのか、次年度に引継ぐ興味ある研究課題である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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