研究課題/領域番号 |
09041077
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
佐々波 楊子 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (30051288)
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研究分担者 |
河井 啓希 慶應義塾大学, 経済学部, 専任講師 (00276396)
長谷川 信次 早稲田大学, 社会科学部, 助教授 (90218446)
木村 福成 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (90265918)
浦田 秀次郎 早稲田大学, 社会科学部, 教授 (10185085)
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キーワード | 勃海経済圏 / 集積効果 / 海外進出戦略 |
研究概要 |
本研究では、北京、天津から山東半島を中心とするいわゆる勃海経済圏への日系企業の投資が、どのような目的で行われ、地域への連鎖や集積効果が見られるかが第1の調査目的であった。第2は同経済圏には韓国系企業の進出も盛んであり、三星電子・三星電機と韓国の代表的なエレクトロニクスメーカーの工場見学を行うことが出来たので日系企業の企業行動との対比を行うことによって企業と被投資地域との関連を多角的に考察することであった。 天津経済開発区、煙台開発区の日系韓国系企業が共通して指摘した点は(1)輸出一辺倒の海外進出戦略は調整期に入り、中国側の投資業種選択が行われていること。(2)中国側労働者の質はおおむね良好ではあるが、より知識集約的な職能をもつ労働者の雇用には交通の便利な市街地での操業が有利であること。(3)部品供給が大切な電機・自動車の進出は、支払手形といった国内金融取引の整備がまず大切であり、現状は相手側からの集金が可能な地域に生産・販売が限定されてしまう。(4)このような金融マーケットの形成は1994年からの法体系の整備がはじまったばかりであること等であった。このような企業ヒアリング結果からみると同地域で大規模な、生産・販売の集積がみられるには、いま少し時間がかかると考えられる。
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