研究課題
東南アジア高地における集約的農業の展開は、生態系破壊と食料の安全性・健康に関する新たな問題を生起する一方、零細な家族経営の生産効率は低迷している。したがって、生態系を保全しつつ経済効率的な生産システムの確率が持続的農業発展に必要不可欠である。本研究は、インドネシア高地における生態系(エコ)と調和し経済的(エコ)に自立できる農業経営、すなわちエコエコ農業の確立方向と課題を探究することを目的としている。そのため、パリ州タバナン県の温帯野菜地帯(バトゥリティ郡チャンディクニン村、標高1200m〜2050m)を主たる研究対象地に、また西部ジャワ州チパナス地域を比較研究サイトに選出し、異なる専門分野の研究者で共同研究を実施している。1997年度には、前者で195戸、後者で30戸の野菜農家を対象に詳細な質問票調査を実施し、農業経営と野菜栽培技術に関する詳細なデータを収集した。本年度は、これら個別農家データのコンピュータ入力と単純集計作業を実施し、土地利用、水利用、労働利用、土地制度、栽培技術体系、雑草管理と利用、野菜加工、流通制度、野菜需要、価格形成などに関する補足調査を行った。昨年度開始した、産地における主要野菜の価格モニターと7戸の家計簿記帳は本年度も継続実施し、2年間におよぶデータを収集した。また、キャベツ+トマトを中心とする野菜間作の栽培試験を繰り返し実施した。栽培実験は、西部ジャワで一般的な間作・混作の生物間相互関係(とくに忌避効果)を活用したファーミングシステムの導入を目指して実施している。
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