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1999 年度 実績報告書

国際労働力移動を通じた技術移転の可能性に関する研究〜新しい国際協力の手法を求めて〜

研究課題

研究課題/領域番号 09041083
研究機関朝日大学

研究代表者

吉田 良生  朝日大学, 経営学部, 教授 (50182796)

研究分担者 陳 立行  日本福祉大学, 社会情報科学部, 助教授 (60278314)
ARNANDA KUMARA  鈴鹿国際大学, 国際学部, 教授 (00271396)
キーワード国際労働力移動 / クロス・カルチャー / 技術移転 / ノウハウ移転 / ソフトウェアの技術移転 / 出稼ぎ労働者 / 企業研修生 / 日系人
研究概要

この研究は、日本に在住して労働する外国人を単なる「出稼ぎ」として捉えるのではなく、日本の優れた技術を習得するための貴重な機会として認識することによって、外国人労働者による日本からの「ソフトウェアーの技術移転」の可能性を探ることを目的とした。
(1)調査は中国、フィリピン、およびブラジルについて面接調査とアンケート調査という2つの方法で行った。そして、調査対象は2つに絞った。ひとつはいわゆる出稼ぎである。これについては、フィリピンのエンタテイナーとブラジルの日系人を対象にした。もうひとつは企業研修生である。これについては上記の3カ国のすべてについて実施した。
(2)企業研修生については、2つのことが明らかになった。(1)この制度は欧米の各国でも行われていること。実際、ドイツ、イタリア、アメリカ系の企業にも調査を実施した。(2)この制度は多国籍企業の現地生産にとっては不可欠であり、親企業の方では彼らを受け入れる専門のプログラムをもっている。
(3)出稼ぎ労働者については、帰国後の実体を調査した。その結果、(1)ブラジルでは日系人社会の若年人口の空洞化が生じており、これを解消すべく出稼ぎ者の生活安定を支援する活動が始まっていた。(2)フィリピンでは、出稼ぎのリピーター化が起こっていることともに大量の移民労働者の送り出し攻策も20年近い年月が経過するなかで出稼ぎ労働者の老後の問題が現実化しつつあった。
調査の結果から、ソフトウェアーの技術移転は企業内の研修生制度のように帰国後の受け入れ体制が整っている場合には有効であるが、単なる出稼ぎ労働者の場合にはリピーターになる傾向がある。したがって、国際協力のひとつとしてこれを活用するためには帰国後の生活基盤をも考慮に入れた支援策が必要であると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 陳立行(Chen hixing): "Innovation Transfer through Cross-national Migrant Workers"The Journal of Economic Studies (Nihon Fukushi Univ). 20号. 1-11 (2000)

  • [文献書誌] 吉田良生: "国際労働力と労働市場政策 アジアの人口問題"大明堂. (予)200 (2000)

  • [文献書誌] 吉田良生: "フィリピンの出稼ぎ労働者 アジア太平洋地球の国際労働力移動(仮題)"日本労働研究機構. (予)120 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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