研究分担者 |
千頭 聡 日本福祉大学, 情報社会科学部, 助教授 (70236800)
片方 信也 日本福祉大学, 情報社会科学部, 教授 (50026275)
穂坂 光彦 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (10278319)
生江 明 日本福祉大学, 経済学部, 助教授 (70298561)
斎藤 千宏 日本福祉大学, 経済学部, 助教授 (80298562)
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研究概要 |
貧困者自身による参加型スラム改善を支援するNGOやCBO(Community-based Organization)の経験交流とネットワーク化を図るために,タイ,インド,スリランカから貧困者支援事業関係者各2名,計6名を招き,アメリカ合衆国を訪問して,日亜合同調査及び経験交流事業を実施するとともに,3年間に渡るプロジェクト全体の評価と総括を行った。 1.社会経済条件の違いにもかかわらず,アジア途上国,合衆国のいずれにおいても,貧困者がコミュニティ開発の主体となりうること,参加型地域開発は今後も重要性を増すことが確認された。 2.アジア途上国ではコミュニティメンバーのリスクシェアリングを基礎に貧困者の組織化に成功しているが,市場経済の浸透と居住者の要求や経済条件の多様化に対するマネジメントの発展が課題となっている。この課題に応える上で合衆国の経験を学ぶことは重要である。 3.合衆国では,コミュニティ・デベロップメント・コーポレーション(CDC)が市場を活用し,開発リスクを居住者に転嫁することを避けながら,貧困地区の再生に貢献してきたが,他方で居住者参加が形骸化する傾向もある。アジア途上国のように,リスクシェアリングを基礎とするコミュニティ組織の機能化が求められる。 4.南北の参加型貧困者支援活動が直面する課題を克服する上で,南北間の経験交流の持つ意味は極めて大きい。短期間の相互訪問にとどまらず,南北双方が相手方の活動家を受け入れて訓練し合うインターンシップ事業の創設が期待される。
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