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1997 年度 実績報告書

新しい産業モデルに関するスウェーデンと日本の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 09041089
研究種目

国際学術研究

応募区分学術調査
研究機関立命館大学

研究代表者

篠田 武司  立命館大学, 産業社会学部, 教授 (20115405)

研究分担者 湯浅 良夫  愛媛大学, 法文学部, 教授 (20166846)
熊沢 誠  甲南大学, 経済学部, 教授 (20068109)
伊藤 正純  桃山学院大学, 教育科学研究所, 教授 (20132459)
宮本 太郎  立命館大学, 政策科学部, 助教授 (00229890)
浪江 厳  立命館大学, 経営学部, 教授 (40066931)
キーワード労働の人間化 / 連帯賃金制 / JITシステム / 能力別賃金システム / 企業別労使交渉 / ジャパナイゼーション
研究概要

スウェーデンでは、LO(スウェーデン労働組合総連合)、VI(機械産業経営者連合)など労・使の諸組織、あるいはAMS(労働市場庁)など政府組織でのインタビュー、さらにボルボ、エリクソン、SKFなどスウェーデンの主要民間企業での労・使へのインタビューならびに工場見学を通して、スウェーデンの労使関係、労働組織、生産システムの変化についての多くの知見を得た。
スウェーデン経済はもともと国際市場に依存する割合が高かった。それが、89年代以降さらに加速し、スウェーデン企業は国際競争のなかに本格的に巻き込まれていく。労働組織等のイノベーションによる生産性の向上、労働者の技術力向上、さらに労働コストの抑制がこのなかで不可避の課題となる。90年代スウェーデン経済の停滞は、こうした課題をさらに一層明確にした。労働者のインセンティブを引き出すためのテーラー主義とは異なる労働の人間化にもとづく労働組織の設計、JITシステム的な企業間ネットワークの形成などとともに、平等を重視したこれまでの連帯賃金制ではなく賃金格差を促すような企業別、個人能力別賃金システムの導入、それに伴う中央交渉から企業別労使交渉への労使交渉制度への変化などがいま急速に進んでいる。
今年度の調査は、こうした実態がインタビューや工場見学をとおしてスウェーデンの主要な産業である輸出産業部門だけではなく、多くの産業に進行しつつあることが確認された。特に、あらたな労働組織の特徴、また能力別賃金システム導入の実態、経営者のその意図、また労組の反応を詳しく調査できた。さらに、労使交渉制度の変化の実態も浮き彫りにされた。そうした変化を、よくいわれるように単純に産業モデルの「ジャパナイゼ-ショ」というわけにはいかない。日本自体も代わりつつあるからである。また、これまでのスウェーデンの制度・慣習の上での変化であるためスウェーデン固有なシステムを作りだしつつあるからである。共通点と相違点の検討が今後も必要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 篠田 武司: "スウェーデンにおける労働関係の変化" 日本の科学者. 34号. 10-14 (1998)

  • [文献書誌] 湯浅 良夫: "現代の労働過程" 柏書房, 260 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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