研究概要 |
当該研究の初年度である本年度は、課題関連の基本的な情報資料収集、及び関連地域(日米スウェーデン、米国、東南アジア)での安全保障問題専門家や政府関係者へのインタヴュー調査を専ら行った。研究代表者池上はスウェーデンで研究分担者Dr.B.HAGELINや他の現地研究者(特にストックホルム国際平和研究所でアジア太平洋地域を研究対象とするR.Pal Singh氏など)と情報意見交換や研究協力を行った。また当該研究完了時に出版を計画している研究成果(ワーキングペ-パ-)の構成と概要に関しても討議を行った。 本年度は本研究に必要な海外調査のかなりの部分を遂行した。研究代表者池上は、4月にマレーシア/クアラルンプールで首相府付属外交問題研究所(IDFR)を始め主なシンクタンク(MIMA,MSRC,ISIS等)の研究者・専門家約10人にアジア太平洋の地域安全保障に関してインタヴューを行った。また9月には米国ワシントンDCにて国防省・国務省高官、外交官を始め、米国科学アカデミー(NRC/NAS)や主なシンクタンク(Brookings Institution,H.Stimson Center Council for Foreign Relations,CSIS等)に於いて、日米・アジア太平洋安全保障問題専門家など約15人にインタヴューを行い、当該課題に関して最新の情勢を知ることができた。 研究分担者Dr.HAGELINは米国ワシントンDCで、やはり政府関係者やシンクタンクの専門家にインタヴューを行い、米国の対欧州安全保障政策、スウェーデンと米国との安全保障関係などに関して調査を行った。 また、本年度末に池上が予定していた東南アジア調査(特にシンガポール)に関しては、現地情勢により詳しい軍事安全保障問題専門家でJane's Information Group社の日本特派員を務める江畑謙介氏(研究協力者)に代わって調査を行ってもらった。江畑氏は、当該研究課題計画申請段階では、研究協力者として平成10年度に派遣調査を予定していたが、氏が東南アジア軍事安全保障に精通しており、また当該地域で近年大きな変化が見られることから、本年度に東南アジア情勢調査を依頼した。今回の現地調査に基づいて、江畑氏からは「1997年度のアジア軍備に関する情報」及び「アジアの経済危機の軍備計画への影響」と題する二つの報告書が提出された。これらは、当該研究課題成果を出版する折(平成11年以降)に収録する予定である。
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