研究課題/領域番号 |
09041097
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
深尾 良夫 東京大学, 地震研究所, 教授 (10022708)
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研究分担者 |
MONTES Herma ペルー国立地球物理研究所, 副所長
WOODMAN Rona ペルー国立地球物理研究所, 所長
山本 明彦 北海道大学, 理学部, 助手 (80191386)
平 朝彦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50112272)
河野 長 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20011596)
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キーワード | 火山岩層 / 重力 / 地質 / アンデス / IGP / 枕状溶岩 / 堆積層 / 断層 |
研究概要 |
IGPに蓄積された重力データのうち、平成8年度までの調査により、約6割のデータのコンパイルはほぼ終了した。平成9年(今年)度は末コンパイルのIGPのデータのうち、 (1)IGP重力データの結節点での観測が未完である、 (2)処理上の問題から結節点以外での観測が必要である、 (3)座標地が未定のままである、 などの理由により十分に生かすことができていないIGP重力データを有効にするため、2組の観測パーティを組織して、上記3項目の中心とした観測を実施し、日本側とIGP側のデータを使って最小自乗法的にIGPデータの重力値を精度良く求める作業を行なった。その結果、IGP所有の全重力データのうち、もともと位置の同定が不可能な約1,000点を除いて、約1.5mGa以下の精度を持つ7,429点のIGP重力データを得ることができた。これは位置情報を持つIGPの全重力データ(7760点)約のうち96%に相当する。また、ナスカ-クスコルートオにおいて標高4,000mのアンデス高原で見られる水平成層の枕状溶岩を含む堆積層の地質調査・古地磁気調査を実施し、試料の採取・解析を行なった。この結果、アバンカイ北部はかなり新しい火山岩層がスラストベルトに巻き込まれているが、南部は引張ばになっていて、浅海-湖と考えられてる地層が数千mに渡って変形せずに残っていることがわかった。これはアバンカイの南北で大きく地質構造が変わっていることを意味しており、アバンカイ付近に存在する断層群からも構造の違いがあることがわかった。上記すべての知見はアンデス山脈隆起のメカニズムを考察する上で重要なものとなった。
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