研究課題/領域番号 |
09041102
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
武田 喬男 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (60022604)
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研究分担者 |
藤吉 康志 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40142749)
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
虫明 功臣 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50011060)
坪木 和久 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (90222140)
中村 健治 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (20262917)
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キーワード | 中国淮河流域豪雨 / 梅雨前線 / ドップラーレーダー観測 / 大気陸面システム / メンスケール水循環 / 広域降水量 / 流域水収支 / 熱帯降雨 |
研究概要 |
本研究は、熱帯、亜熱帯、温帯など様々な気候帯といろいろな植生と地質の地域からなり、また頴著な雨期をもつ湿潤アジアについて、気象、水文に関する集中特別観測と現地資料収集、それらのデータの数値モデル解析などを実施することにより、水循環に関するマルチスケールの大気陸面過程、大陸スケールの大気環境、陸面状態の変化に対する各地域の水資源・水災害の応答の実態と機構を解明することを目的とする。本年度は以下の事項を実施した。 ・中国の淮河流域の既存レーダのディジタル化機能のチェック、レベルアップを行い、良質のレーダ雨量計合成データを作成する準備を行った。 ・陸面の水循環過程の効果を、気象・水文結合モデル内の大気陸面相互作用として正しく表現するためそれぞれの流域に適用できるマクロ水文モデル、分布型水文モデルの構築と現地観測による検証方法を検討した。 ・広域の降水量を精度良く求めることは、各地の水資源賦存量の推定と水災害防御などに対して極めて有効である。今年度は、特に地上観測雨量データが不足しているインドシナ半島を対象として当研究所で受信・ア-カイブされているGMS(ひまわり)の赤外チャンネルデータを用いて地上降雨量を推定する研究を行った。 ・タイで収集した地上検証時間雨量データとの対比から、どんなに黒体温度が低く雲頂温度が高く発達していると期待される雲画像でも、降雨を伴っているのは高々その20%くらいであること、その降雨確率は290Kから250Kくらいまで線形に増加することが分かった。また、条件付き平均降水強度は約2.0mm/hで、雲頂温度にあまり依存しないことが分かった。この観測事実に基づいて新たなアルゴリズムを開発し、月平均1度グリッド降水量について相対誤差20%程度を得ることができた。 ・平成10年2月、名古屋で国際研究集会を開き、それぞれの流域とその周辺域の集中特別観測の準備状況の報告と観測計画の最終的な打ち合せを行った。
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