研究分担者 |
渡辺 明 福島大学, 教育学部, 教授 (70114006)
前川 泰之 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (30181572)
山中 大学 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (30183982)
山本 衛 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (20210560)
橋口 浩之 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (90293943)
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研究概要 |
本研究の目的は,スマトラ・ジャワ・カリマンタンの3島とこれに囲まれたジャワ海領域を対象とし,境界層レーダー(BLR;3次元風速・乱流強度・降水粒子・生物エコーを観測),気球(オゾン・気象量)・地上測器(気象量・組成)を用いた移動あるいはネットワーク観測を実施して,地球環境変動の鍵を握る対流雲団(クラウドクラスター)・超雲団(スーパークラスター)の組織化ならびにこれに伴う熱帯地(海)表面〜自由大気間の物質・エネルギー輸送を解明することである. 初年度である本年度は,次年度前半に実施する予定の本観測のための,準備活動と予備調査を行った.まずジャワ島西部のジャカルタ市郊外スルポン地区で運用されている既存のBLRについて,これまでの5年間にわたるレーダーエコー受信状況を詳細に解析して,エコーを生む大気乱流や雨滴の出現状態を統計的・気象学的に調べ、これに基づいて今年度スマトラ島に投入した場合のエコー受信状況を推定した.次に,以前より行って来た調査結果なども踏まえて,具体的な第二のBLR観測点としてスマトラ島中西部のプキティンギ市郊外コトタバンを地区を選定し、設置地点の地理的・物的・人的・電波的環境の確認,運搬・移設作業,試運転,「試験観測」の実施に必要な予算的・人的措置について入念に検討し,両国の研究チーム間に作業分担に関する合意書を締結した.さらに,次年度以降に本格化させる科学的研究の第一段階として,スルポンBLR観測結果から大気乱流や対流雲の活動度の季節・経年変化に関する解析を行った.
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