研究分担者 |
渡辺 満久 東洋大学, 文学部, 助教授 (30222409)
堤 浩之 高知大学, 理学部, 助手 (60284428)
榊原 正幸 愛媛大学, 理学部, 助教授 (80202084)
瀬野 徹三 東京大学, 地震研究所, 教授 (10216567)
嶋本 利彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (20112170)
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研究概要 |
1995年に発生したネフチェゴルスク地震震源域の北東部に位置するEkhabi-Pltum断層の地形調査・トレンチ掘削調査を行うとともに,空中写真判読によりサハリン北部の活断層系の解析を行った. 衛星写真の判読によると,サハリン北部においては,活断層は東岸に沿って分布する.主な活断層は1995年地震の際に一部が活動したUpper Piltum断層,その北東に位置するEkhabi-Piltum断層などである.Upper Piltum断層は新第三系の褶曲構造を切って発達している.断層を横切る河谷が最大で70〜80m変位しており,1995年地震時の右横ずれの卓越した変位が累積していることがわかる.この断層はネフチェゴルスクの東で消滅するが,その変位を受けつぐようにEhhabi-Piltum断層がN10Eの走行で北にのびる. これはSeno et al.(1996)によるモデルから予想される,この地域でのプレートの相対運動様式と調和的である. 本調査ではサハリン最北部のシュミット半島において基盤岩を構成する白亜系の変形した堆積岩、オフィオライトについての 調査もあわせて実施した。その結果、オフィオライトは大規模に逆転して東へ衝上していることが明確となった。その運動は堆積岩類を激しく変形させている。しかし、この変形は第四紀の変形には関与しておらず、地質時代の構造運動である。新しい時代の変形はむしろ西へ衝上する運動であり、新第三紀層や段丘を変形させていることが明らかとなった。
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