研究概要 |
平成9年度は,研究代表者の斎藤成也と各研究分担者が,以下の調査研究を行った。(1)岩田礼が,8月から9月にかけて,中国中央部の方言境界に関する調査研究を行った。(2)斎藤成也と植田信太郎が9月に北京と西安を訪れ,西安近郊の集団から採血した。この調査には,金鋒,袁義達,張志欣のほかに,日本から研究協力者として王瀝,北野誉,岩本和也が参加した。北京では金鋒,袁義達,張志欣と研究連絡を行った。(3)斎藤成也と湯浅勲が11月に北京と長沙を訪れ,長沙近郊の集団から採血した。北京では中国側の研究分担者3名と研究連絡を行った。(4)宝来聰,徳永勝士が11月に北京と昆明を訪れ,昆明近郊の集団から採血した。北京では中国側の研究分担者3名と研究連絡を行った。(5)中国側の研究分担者3名がそれぞれ12月,1月上旬,1月中旬に日本を訪問し,東京大学と国立遺伝学研究所を訪問して,日本側と研究連絡を行った。 平成10年度は,中国における調査を3回実施するとともに,中国の研究分担者2名を日本に招聘した。中国における調査は,(1)9月中旬に斎藤成也と植田信太郎および研究協力者の王瀝が北京・安陽・済南などを訪れ,古代人の骨からDNAを抽出する研究について中国現地の考古学研究者と話し合いをした。また,山東省において採血も行った。この調査には,中国側研究分担者の金鋒も参加した。(2)10月には,中国側研究分担者2名(金鋒および曹京龍)を日本に招聘し,おもに国際日本文化研究センターにおいて,当センターに保管されていた血液サンプルを用いてその赤血球酵素多型を調べる実験的研究を行った。(3)本年1月後半には,斎藤成也,尾本惠市,寶来聰,徳永勝士,湯浅勲および研究協力者の野田令子が中国にて調査を行った。中国側からは金鋒と曹京龍が参加し,広州近郊,福州近郊,杭州近郊にて採血した。現在,北京の中国科学院遺伝研究所にてDNAを抽出中である。(4)本年3月下旬には植田信太郎が古代DNAに関する調査研究のために,北京の中国科学院遺伝研究所を訪問した。
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