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1998 年度 実績報告書

熱帯地方における藻類のもたらす浄水障害に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 09041130
研究機関東北工業大学

研究代表者

今野 弘  東北工業大学, 工学部, 教授 (40133053)

研究分担者 石橋 良信  東北学院大学, 工学部, 教授 (10111246)
キーワード藻類 / 凝集阻害 / ろ過閉塞 / 複層ろ過 / アンスラサイト
研究概要

1998年度の調査研究において明らかになった点を列記すると次の通り。
(1) 対象地 :調査対象はバンコク首都圏内のサムセン、バンケン浄水場およびその水源水質ならびに地方水道公社管轄のノンケイ水道事業所浄水場およびパヤオ湖である。
(2) 原水の水質および処理性
(1) 原水水質の特徴:原水濁度は50NTUより常に高く、雨期には150NTUを越える。平均濁度は80NTUである。チャオプラヤ川の取水地点から30km以上も導水されるが濁度の低下は見られない。原水のpHは7.3〜7.7程度と変化する。電気伝導率は9月が最も低くて200μS/cmであり、2月がもっとも高くて350μs/cm、平均値で270μs/cmであって、多くの溶解性物質により汚染されていると考えられる。
(2) 藻類:チャオプラヤ川の卓越藻類種はキクロテラ属、メロシラ属、珪藻類、オシラトリア属、ユグレナ属、クロレラ属などであり、100mlあたり数千個程度の個数濃度である。これらの70%は濾過閉塞の原因藻類であり、いつそれが顕在化しても不思議ではない。
(3) バンケン浄水場での藻類の処理性:平均60%で時に40%以下になる場合もある。
(4) パヤオ湖の卓越藻類種:異臭味、濾過閉塞、毒性物質の生産などと深く関わっている藻類種が多数生息しており、水道水源としては将来的に藻類種の継続的な観測が必要である。
(5) タイの浄水場で使用されている濾過砂は日本の場合よりだいぶ大きい。そのため厚いろ層を使用する場合には濾過効率は良いが、逆流洗浄が困難な場合が多い。
しかし空気洗浄は効果的で日本でも導入を検討しても良い技術と考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Srwilai Kijipitak・小田直正・今野弘 他: "Observation of Algae Affecting with Some Issues on Water Treatment in Thailand" Proc.of National Water Works Conference. vol.50. (1999)

  • [文献書誌] 今野 弘: "タイの水道の現状と展望" 水環境学会誌. Vol.21,No.2. 72-75 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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