研究課題/領域番号 |
09041131
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
田中 直人 摂南大学, 工学部・建築学科, 教授 (60248169)
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研究分担者 |
大野 治代 大手前女子短期大学, 生活化学科, 教授 (40029187)
一棟 宏子 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (70090719)
岩田 三千子 摂南大学, 工学部, 助教授 (70288968)
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キーワード | 高齢者 / 障害者 / サイン / デンマーク / アメリカ合衆国 / バリアフリー / ユニバーサルデザイン / 福祉 |
研究概要 |
前年度の成果として、4月17日(土)に大阪でデンマークからポール・ウスターゴード教授を迎え「デンマークと日本のバリアフリー」というテーマで約400名の参加を得て、シンポジュウム開催した。調査はアメリカ合衆国において、駅や空港等の関連施設および広場や道路等の状況を観察調査するとともに、大学や研究機関の関係者にヒヤリング調査を実施した。以下に得られた知見の主たるものを示す。 1.誘導用ブロックは駅構内のプラットホームの端部などきわめて限定され、交差点では車いす使用者に対応するカーブカット部分に視覚障害者を配慮した溝のラインが設けられていた。 2.不特定多数の利用する空間ですべての人にわかりやすいという基本に忠実にサインの記号表現や大きさや親しみやすさのデザインに工夫が見られる事例も多かった。とりわけ、国際化の進展に対応した空港での配慮が参考になった。 3.アメリカの場合はわが国に比べて人にやさしいサインの役割を重視し、北欧に比べて基礎的な研究の成果を反映して一般的に大きく、文字を逆対比で表現する事例が多い。また、空港などでは利用者に対するサービスとしてサインの近くにインターホンがあるなどソフトのシステムが整備されている事例が多い。 今回の研究成果を広く活用するために、「サイン環境のユニバーサルデザイン」(学芸出版)を出版する。また、ヒアリング調査した一人のR.ナル氏の著書「ユニバーサルデザイン」の翻訳に着手し、これを機会に東京と大阪で共同の研究チームを発足させた。今後、北欧やアメリカの福祉先進国における成果を検証しながら、高齢者・障害者だけでなく、すべての人にとって環境整備のあり方を、ユニバーサルデザインの視点から検討するために、対象地をアジアやオセアニアをはじめ世界各地の地域に広げつつ調査研究を発展させたいと考えている。
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