研究課題/領域番号 |
09041132
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研究機関 | 富山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
宮谷 大作 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20018980)
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研究分担者 |
岩坂 泰信 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20022709)
早川 和一 金沢大学, 薬学部, 教授 (40115267)
田畑 勝弘 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助教授 (00271594)
丁子 哲治 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 教授 (80092790)
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キーワード | 環日本海 / 長距離輸送 / エアロゾル / 大気化学反応 / 環境汚染 |
研究概要 |
国連主導のもと、ロシア、中国、北朝鮮が国境を接する図満江河口周辺一体の大規模開発が決定された。この地域における生産活動は、日本海の対岸に位置する北陸地方を始めとする日本海側の地域に環境問題を引き起こす可能性が高い。日本海を越えて飛来する物質としてこれまで、中国大陸の沙漠で発生すると考えられている黄砂を研究対象としてきた。この研究から、黄砂のその発生源における化学組成は炭酸カルシウムが中心であるのに対し、朝鮮半島や日本に飛来する黄砂は硫酸イオンを大量に含んでいる事を見出し、黄砂が長距離輸送する過程において、大気中の硫酸イオンと反応している可能性を報告して来た。本国際学術研究によってこのようなエアロゾルと大気汚染物質との相互作用に関する研究は黄砂以外では研究がなされていない事が判明した。そこで、大気中を移動する物質として、従来から研究されている黄砂に加え、地殻中に多量に存在し反応性が高い鉄化合物、そして非常に毒性の高い発癌物質として多環芳香族炭化水素を対象とする事を提案した。鉄化合物は光反応や大気中の気体成分との高い反応性がある事を見出し、赤外分光およびメスバウアー分光により極微量な試料だけで分析が可能である事と、固相の反応を比較的容易に追跡できる利点がある。また、多環芳香族炭化水素については本研究班の研究員によって大気中微量成分の定量分析法が開発され、環境中のこれらの物質の存在量について調査が待たれている。
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