研究分担者 |
PHANG Siew M マラヤ大学, 高等研究院, 助教授
鯵坂 哲朗 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (40144349)
川口 栄男 九州大学, 農学部, 助教授 (50195054)
小亀 一弘 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80215219)
堀口 健雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20212201)
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研究概要 |
1. 紅藻フジマツモ科ソゾ属のLaurencia similisの含ハロゲン化合物組成を明らかにし、論文として公表した。本種にはpolybrominated indolesである1-methy1-2,3,5,6-tetrabromoindoleと2,3,5,6-tetrabromoindoleが大量に含まれている。これらの成分は同属のソゾノハナLaurencia brongniartiiからも見つかっており、indolesを生成する本属の種はこの2種だけである。外部形態は異なっているが、生殖器官、特に四分胞子嚢を生じる周軸細胞の数が共に1個という他の種に見られない特徴を共有していることから、両者が近縁であることを明らかにした。 2. マレーシアから生育を初めて確認した種のうち、下記の種については形態的観察を主とした論文を取りまとめた。Cryptonemia yendoi(ムカデノリ科),Caulacanthus ustulatus(イソモッ力科),Chondracanthus intermedius(スギノリ科),Griffithsia shousboei(イギス科)及びLaurencia flexilis(フジマツモ科). 3. 紅藻コノハノリ科のヒメズタ属(Taenioma)2種をマレーシア海域で初めて発見し、それらの形態変異を詳細に解析した論文を投稿中である。 4. 紅藻フジマツモ科のAmansia rhodanthaを太平洋沿岸で初めて採集した。本種の知見によって、日本の暖海域に生育するキクヒオドシ(Melanmansia glomerata)の所属に問題のあることが明らかになった。 5. 紅藻テングサ科とムカデノリ科の種の分子系統学的解析が進行中で、日本産の種との比較検討が行なわれている。
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