研究課題/領域番号 |
09041135
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
阿部 純 北海道大学, 農学部, 助教授 (00192998)
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研究分担者 |
蓋 鈞鎰 南京農業大学(中国), 教授
梅本 信也 京都大学, 農学部, 助手 (60213500)
山口 裕文 大阪府立大学, 農学部, 教授 (20112542)
金澤 章 北海道大学, 農学部, 助手 (30281794)
島本 義也 北海道大学, 農学部, 教授 (00001438)
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キーワード | 野生ダイズ / 遺伝資源 / 遺伝的多様性 / 自生地保全 / 生態 |
研究概要 |
本年度は、極東ロシアならびに中国南西部を主な調査地とし、前者で4名、後者で2名をそれぞれ派遣した。また、次年度の予備調査としてベトナムに1名を派遣した。得られた結果は以下の通りである。 極東ロシアでは、アムール川水系沿いに、北緯43度のウスリ-地域平野部から北緯50度を越えるゼヤ川まで、ツルマメは幅広い緯度にわたって分布した。分布密度はいずれの地域においても比較的高く、陽当たりが良く人為的撹乱の受けやすい道路際や空き地などに、生育地がパッチ状に点在した。集団の大きさは、少数個体から広面積にわたり途切れなく個体が分布する大集団まで様々であった。熟期、葉形、莢内種子数、種子重および毛じの密度や着生角度になどに集団内外で差異が観察された。51集団より個体別に種子を採取し、15アイソザイム遺伝子座について遺伝子型を調査した。全体で31個の対立遺伝子が観察され、全集団に基づく遺伝子多様度は0.240と、日本や中国など他の地域と比較すると、やや多様性が低かった。特に、アムルスカヤ地域では遺伝子多様度が最も低く、一様な遺伝子型から成り立っていた。中国では四川省および雲南省の計25地点を調査した。これらのうち1カ所においてのみツルマメの分布が確認された。移動に際しての観察でもツルマメは全く確認されず、この地域における自生頻度はかなり低いものと推定された。路傍の植物群落は一年生および半地中性多年生草本からなり、ツルマメは、主としてクソニンジン、ヒメムカシヨモギ、ヤブカラシなどの家畜が嫌いかつ草丈の高い植物と共生していた。
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