研究分担者 |
蓋 鈞鎰 中国, 南京農業大学・大豆研究所, 教授
梅本 信也 京都大学, 農学部, 助手 (60213500)
山口 裕文 大阪府立大学, 農学部, 教授 (20112542)
金澤 章 北海道大学, 農学部, 助手 (30281794)
島本 義也 北海道大学, 農学部, 教授 (00001438)
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研究概要 |
本年度は、ベトナムならびに中国南西部を主な調査地とし、前者で2名、後者で3名をそれぞれ派遣した。また、ベトナム調査の打ち合わせとしてベトナムより1名を招聘した。得られた成果は以下の通りである。 1) 中国では貴州省、広西荘族自治区、福建省および江蘇省の計20地点を調査した。貴州省や広西荘族自治区など西南部では,ツルマメの分布は稀であり、その生育地の植生は、ヨモギ属やヨメナ属,ムカショモギ属などのキク科植物とススキ属,メヒシバ属などのイネ科植物からなる撹乱依存性植物の群落であった。ツルマメは、ふつう道路の急峻な法面や路傍の空き地に生育するが,家畜の影響が一時的に空白となるような路傍の空き地や河川の河床にも生育していた。優占種である多年生イネ科植物は放置すると純群落となるが,そのような場合にはツルマメはみられなかった。ツルマメは、人間による草刈り後の植生回復途中の場を生育場所としており、人間と家畜による影響と自然回復との微妙なバランスの下に生存していると指摘できる。 2) ベトナムでは、Glycine属に加えて、Glycininae亜連に含まれる種についても調査した。北部の中国との国境地帯で、Shuteria invoculateを観察した。また、半野性的ダイズ(G.soja)が栽培されるとの情報を入手した。一方、中南部では、G.laotica(現在、Ophrestia(Ophrestiinae亜連)に分類されている)の分布について情報を入手し、Glycininae亜連とは異なるが、Centrosema pubescens Benth.(Clitoriinae)やCalopogonium mucunoides Desv.(Diocleinae)などの植物標本を採集した。
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