研究課題/領域番号 |
09041138
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
後藤 晃 北海道大学, 水産学部, 助教授 (30111165)
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研究分担者 |
PITRUK D.L. ロシア科学アカデミー, 海洋生物研究所, 研究室長
酒井 治己 水産大学校, 助教授
高田 啓介 信州大学, 理学部, 助教授 (90197096)
矢部 衛 北海道大学, 水産学部, 助教授 (80174572)
尼岡 邦夫 北海道大学, 水産学部, 教授 (50002085)
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キーワード | ロシア極東水域 / 魚類ファウナ / 種多様性 / 形態学的解析 / 分子生物学的解析 / 系統進化 / 系統分散機構 / 種分化パタン |
研究概要 |
平成9年度には、研究分担者4名及び研究協力者3名の計7名を派遣し、ロシ側研究分担者とともにロシア極東域において現地調査を実施した。浅海魚類調査班は7月下旬から8月中旬までの約3週間にわたり、マガダン周辺のロシア極東域北部のオホーツク海沿岸・浅海域において採集調査を行った。その結果、約42種1800個体の浅海性魚類が採集されてた。これらの標本は専門分類群ごとに研究分担者に配布され、形態学的の精査されている。一方、淡水魚類調査班は、8月上旬から下旬までの約3週間にわたり、ハバロフスク周辺からスラビヤンカ周辺にいたるアムール川本流および支流21地点において採集調査を実施し、ヤツメウナギ類,サケ科魚類.,コイ科魚類,トミヨ類,カジカ類など約40種1000個体を採集し、遺伝学的解析用に凍結標本として持ち帰った。また、現地においてサケ科魚類を中心に染色体標本の作成を試み、数種において良好な核型を得た。凍結標本とあわせて現在解析中である。 現在までの標本解析により、以下のような知見が新たに明らかになっている。1)標本中の掘巣性ゲンゲ科魚類2種は未記載種の可能性が高く、そのうちのNagaeva湾で採集された種は未記載の属の可能性がある。2)チュコッカ半島で得られたギスカジカ属の1種は既知種とは形態的に大きく異なり、未記載種の可能性がある。3)アムール川中流域には、ウグイ属魚類は分布しない。4)アムール川中流域には、トミヨ類は分布するものの非常に少ない。5)韓国および中国から報告されていたヨコシマドンコの生息が確認された。
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