研究課題/領域番号 |
09041138
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
後藤 晃 北海道大学, 水産学部, 助教授 (30111165)
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研究分担者 |
高田 啓介 信州大学, 理学部, 助教授 (90197096)
矢部 衛 北海道大学, 水産学部, 助教授 (80174572)
尼岡 邦夫 北海道大学, 水産学部, 教授 (50002085)
酒井 治己 水産大学校, 助教授
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | ロシア極東域 / 魚類ファウナ / 種多様性 / 生態的多様性 / 形態・遺伝的固有性 / 分子系統関係 / 系統分散経路 / 種形成パタン |
研究概要 |
平成9年度から11年度の3カ年にわたり、ロシア極東域の浅海魚類と淡水魚類の種多様性、生物地理、形態・生態的固有性、繁殖行動、系統関係および系統分散パタンを明らかにする目的で、アムール川、レナ川、ツムニン川とぺリス島において現地調査を実施し、多数の魚類標本を採集するとともに、多くの学術上貴重な成果を得た。1)ペリス島の浅海域における行動観察調査によって、ホッケ、ケムシカジカ、ヤセカジカ属魚類の繋殖行動様式は非交尾型であることが明らかにされ、それらは日本産の同種の場合と変異することが示された。2)オホーツク海北部マガダン周辺からゲンゲ科の1未記載属・種が、また沿海州南部からカジカ科ヤセカジカ属の1未記載種およびタウエガジ科トゲギンポ属の1未記載種がそれぞれ見出された。3)ロシア極東域と北日本に分布する淡水魚類の幾つかの分類群について分子系統学的解析を行い、それら属内の系統類縁関係が明らかにされた。4)このうちトミヨ属魚類に関しては、従来の4つの遺伝的グループの他に、ロシア極東域から2つの新しいタイプ(沿海州型とサハリン・オホーツク型)が見出された。沿海州型は鱗板連続の形態モルフから成り、中国に分布するトミヨ(Pungltius sinensis)に相当することが示された。5)カワヤツメ属とウグイ属魚類は、日本海周縁域で種分化したことが示された。6)カジカ類では、異属のヤマノカミとアユカケが単系統性を示し、その他のカジカ属10種は別の単系統群を構成したことから、カジカ属魚類は側系統群であることが明らかになった。これらの研究成果の多くは、平成11年11月にロシア研究者3名を招聘して、北海道大学水産学部で開催された「ロシア極東域と北日本における魚類の起源と多様性」に関するシンポジウムで討論され、また現在それらは学会誌に投稿中である。
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