研究分担者 |
KARTAVTSEVA イリーナ ロシア科学アカデミー, 極東支部・生物土壌学研究所, 主任研究員
CHELOMINA Ga ロシア科学アカデミー, 極東支部・生物土壌学研究所, 主任研究員
KRYUKOV Alex ロシア科学アカデミー, 極東支部・生物土壌学研究所, 研究部長
酒泉 満 新潟大学, 理学部, 助教授 (40175360)
土屋 公幸 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (30155402)
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研究概要 |
計画年数3年間のうち、各課題項目に関する第1年目の成果は以下の通りである。 (1)日本産の小型哺乳類について大陸産の近縁種との系統関係の把握 日本産哺乳類と大陸産種との系統関係をミトコンドリアDNAのチトクロームb遺伝子(1140bp),核遺伝子のIRBPエクソン領域(782bp)について解析したところ,ロシア産の哺乳類種と強い関連性を示したのは,北海道に生息する種であった。特にハントウアカネズミ(Apodemus peninsulae)では北海道産とロシア産では著しい類縁性を示した。タイリクヤチネズミ(Clethrionomys rufocanus),ヒメヤチネズミ(C. rutilus),クロテン(Martes zibellina)では類縁性は示したものの,ある一定の独自性を示した。北海道固有種のムクゲネズミ(C.rex)では大きな変異を蓄積していることが示唆された。このムクゲネズミの変異の大きさはラットとマウスの分岐年代を1000万年前と仮に定めたときに,およそ100ー200万年前と推定され,第四紀の初頭に渡来したとの可能性も示唆された。このように,氷河期の最初から最近に至るまでロシア産哺乳類の影響をまんべんなく受けていたことが示唆された。 (2)ロシア人研究者との研究協力 本年度は日本人一人(鈴木)がロシアに出向き,研究連絡を行うとともに小型哺乳類の採集を行った。ロシア側からは一人(Dr. Chelomina)来日し,標本の運搬,研究連絡を行うとともに,日本哺乳類学会での学会発表も行った。
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