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1997 年度 実績報告書

バイカル湖における種多様性、進化系統と環境変動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09041149
研究機関東京大学

研究代表者

宮崎 信之  東京大学, 海洋研究所, 教授 (40101464)

研究分担者 益田 芳樹  川崎医科大学, 医学部, 講師 (40069076)
益子 計夫  帝京大学, 文学部, 助教授 (00082321)
西田 睦  福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (90136896)
田辺 信介  愛媛大学, 農学部, 教授 (60116952)
森野 浩  茨城大学, 理学部, 教授 (30091870)
キーワードバイカル湖 / 種多様性 / 進化系統 / 環境変動 / 淡水海綿 / ヨコエビ / カジカ / アザラシ
研究概要

本年度の研究活動は次の5課題に集約される。
(1)バイカル湖固有の淡水海綿の分類学的研究、(2)ヨコエビ類の進化系統学的研究、(3)カジカ類の進化系統学的研究、(4)バイカルアザラシに近縁なカスピカイアザラシの生活史研究、(5)バイカル湖とその周辺海域の水汚染に関する研究。
上記の課題に関する研究成果と今後の課題を以下に記す。
(1)水深約200mもアカデミアンリッジで調査したところ、これまで知られていない種類が採集され、現在、新種の記載を進めている。同時に、海綿に形成される成長層を年齢指標に用いて、生活史の解析をしている。
(2)バイカル湖固有のヨコエビ類の1種であるEulimnogammarus cyaneusをバイカル湖全域から採集し、遺伝的な類似性を比較した。その結果、アンガラ川の河口域を境に、南北に分かれる遺伝的集団の存在を明らかにした。現在、その種分化の過程について、推定分岐年代を用いて様々な角度から検討している。
(3)バイカル湖に生息しているカジカ類のうち、標本の入手可能な16種類について、mtDNAの16SrRNAを用いて類縁関係の解析を行い、予備的結果を得た。現在、ロシアの研究者の協力によって得られら新たな種類の標本も加味して、カジカ類の進化系統について再検討を行っている。
(4)バイカルアザラシの近縁種であるカスピカアザラシを調査して、形態、生活史、遺伝学的情報、病理学的情報を収集し、本種の特性を明らかにすると同時に、これまで得られたバイカルアザラシとの比較検討を行っている。
(5)バイカルアザラシ、カスプカアザラシに蓄積している有機塩素系化合物(PCBs,DDTs,HCHsなど)や重金属類を分析して、バイカル湖やカスピ海の人工有害化学物質による汚染状況を明らかにした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Nishida, Mutsumi: "recent development in the use molecular genetic markeers in fisheries biology." Proc2nd Internl.Symp.on Efficient Application and Preservation of Marine Biological Resources. 151-165 (1996)

  • [文献書誌] Miya, M.and M.Nishida: "Speciation in the open ocean." Nature. 389. 803-804 (1997)

  • [文献書誌] Masahiko, Kazuo, et al.: "Genetic separation of gammarid(Eulimnogammarus cyaneus)populations by jocalized topographic changes in ancient Lake Baikal." Arch.Hydrobiol.139. 379-387 (1997)

  • [文献書誌] Kikuchi, Yoshiaki, et al.: "Preliminary note on tolerance of a Baikal harpacticoid species,Harpacticella inopinata,to saline waters." Animal community,Environment and Phylogeny in Lake Baikal.(Miyasaaki,N.ed). 57-58 (1997)

  • [文献書誌] Okumura, N.and A Goto: "Genetic vanitions and differentitations of two river sculpins,Cotus noza wae and C.amblystomopsis,deduced fromallozyme and restrictione enzyme-digested mt DNA fragment length polymorphism analyses." Ichthyrological Research. 43. 399-416 (1996)

  • [文献書誌] Yamazaki, Y.and A.Goto: "Genetic differentiation of Lethenteron ressineri,with reference to existence of discrete taxonomic entities." Ichthyrological Research. 43. 238-299 (1996)

  • [文献書誌] 粕谷 俊雄・宮崎 信之: "クジラ目・海牛目 レッドデータ日本の哺乳類(日本哺乳類学会編 責任編集:川道武男)" 文一総合出版, 279(p.139-187,p.221-233) (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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