研究課題/領域番号 |
09041151
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
小原 嘉明 東京農工大学, 農学部, 教授 (60014958)
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研究分担者 |
MAJERUS M.N. ケンブリッジ大学, 遺伝学教室, 講師
佐藤 俊幸 東京農工大学, 農学部, 助手 (80242238)
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キーワード | モンシロチョウ / 配偶行動 / 紫外色 / 配偶者特定信号 |
研究概要 |
1.日本産および欧州産モンシロチョウの亜種の形態的比較 (1)サイズ:野外で採集した欧州産モンシロチョウおよび実験室で飼育した欧州産モンシロチョウは日本産モンシロチョウより体サイズが小さい。 (2)斑点:日本産モンシロチョウの前翅には雄、雌とも2個の斑紋があるが、欧州産モンシロチョウの雄には斑紋は1個のみで後側の斑紋は痕跡としてのみ認められる。 (3)翅の可視光色彩:欧州産モンシロチョウの翅は全体に色が少し暗色で、かつ翅の腹側は黄色が濃く日本産モンシロチョウの春型に似ている。 (4)翅の紫外色:欧州産モンシロチョウの雌雄を360nmに透過ピークをもつ紫外線透過フィルターを通して撮影した結果、Eisnerの私信の通り本亜種は雌雄とも前後翅の背面および腹面のいずれの翅面も紫外線を反射していない(紫外色を含まない)ことが明らかになり、紫外色を有する日本産の雌と顕著に異なることが確認された。 2.日本産および欧州産モンシロチョウの亜種の行動比較 (1)運動性:欧州産亜種は日本産亜種間に比べ飛翔が俊敏に見える。 (2)行動レパートリー:欧州産亜種は日本産亜種間に行動レパートリーの変異はみられなかった。両亜種の雌雄とも低温時に日光浴行動をする。また両亜種の雄は飛来した雄に対して羽ばたき反応を示す。一方交尾済みの雌は雄に対して交尾拒否反応を示す。 (3)雄による雌特定:2×2×2mの小網室内での行動実験の結果、欧州産雄は雌(標本)により強く誘引され一部は交尾を試みることがわかった。しかし雄(標本)に対しても雌の約半分の頻度で同様の反応を示すことがわかった。これらの反応は視覚によって仲介されることもわかった。
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