研究分担者 |
PARIDE Abili 新彊医学院, 第一医院, 講師
恵 把 新彊医学院, 第一医院, 副教授
万 〓 北京医科大学, 真菌和真菌病研究中心, 助理研究員
李 若瑜 北京医科大学, 真菌和真菌病研究中心, 教授
吹春 俊光 千葉県立中央博物館, 上席研究員 (50250147)
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研究概要 |
1999年7月〜8月にかけて中国側の共同研究者である北京医科大学真菌和真菌病研究中心と新彊医学院第一医院と共同で新彊維吾爾自治区内の乾燥地帯を中心に土壌を採集した。採集地域は吐魯番、天山南路のトクスン、クミシュ、コルラ、ルンタイ、西城南道のオアシス(ロプ、チェルクリク、ミーラン、チェルチェン、エンデレ・ラングル、ニャ、ケリャ、ホータン)、タクラマカン砂漠中心部の塔中油田、天山北路沿いの都市(石河子、ウソン、精河、クイトン、セラム湖畔、イリ)などで土壌を採取した。採取土壌は合計986試料で、これらの土壌より北京医大でツアベック寒天をもちいた土壌平板法で病原真菌とカビ毒生産性の報告されている菌類の分離を試みた。その結果最も多数出現した種はAspergillus属とそのテレオモルフ属であるA.fumigatus,A.flavus,A.niger,Emericella spp.,Neosartorya spp.,Petromyces alliaceusなどが出現した。これらの菌はPetromycesを除きヒトの真菌症であるアスペルギルス症の原因菌として報告されている。今回分離された種からはaflatoxin,sterigmatocystin,ochratoxinなどの発がん性カビ毒やfumitremorugin,verruculogenなどの痙彎性カビ毒が報告されており、我々の健康にきわめて重要な菌が高濃度で分離された。また、調査の過程で北京間仁病院の耳鼻咽喉科で上顎炎患者より分離した3株のAspergillusを研究した結果、3種とも新種のAspergillusによる病気であることが判明し、これらのAspergillusをそれぞれA.beijingensis, A.qizutongii,A.wangduanliiと命名し報告した。また、昨年の調査で分離した系統分類学上きわめてユニークな形態子のう胞子を形成するEmericellaをE,appendiculataと命名し報告するとともに近縁の主が分離されており、E.qinqixiαniiと命名し投稿した。
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