研究課題/領域番号 |
09041197
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中島 映至 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (60124608)
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研究分担者 |
荻野 和彦 愛媛大学, 農学部, 教授 (90026394)
小川 利紘 東京大学, 大学院理学部・地球惑星物理学科, 教授 (70011616)
山中 大学 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (30183982)
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研究期間 (年度) |
1997
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キーワード | 気候 / 環境 / 森林 / 火災 / エアロゾル / 煙 / オゾン |
研究概要 |
研究はほぼ当初計画通り実行された。インドネシア、シンガポール等における気象観測、大気光学観測、大気化学観測、森林生態学的観測が実施され、1997年の森林火災の気候学的、環境学的実態が明らかになってきた。気象データの解析によると、乾期の始まりが早まるほど、乾期の終りが遅くなる傾向が見られ、それが乾期の期間を長くするために、火災の規模とも高い相関を持つことが明らかになった。しかし、ジャワでは雨量の顕著な季節変動が出る一方、スマトラ、カリマンタンではそれはどはっきり季節変化が無く、火災につながる気象条件には強い地域差があることも明らかになったので、今後、地域ごとのきめ細かい解析を行う必要があると思われる。今回の火災による煙粒子発生量は、0.3Tg/年程度であり、過去の同地城の火災の数倍規模、全球的な発生量の数%にも及ぶ大規模なものであることが明らかになった。この火災は、森林と同時に泥炭層が燃える地中火であったために、倒木が多く見られ、発生する煙の光学的特性は、アマゾンやアフリカの火災によるものに比べて、光吸収能が小さく、また、粒子径も小さいことが明らかになった。同時に、対流圏全層にわったってオゾン量が数倍に増加しており、このような粒子とガス環境の変化が地域のエネルギー収支と大気安定度に大きな影響を与えていることが示された。その総合的な効果が地球・大気系を冷却するか、加熱するかを明らかにするには、収集したデータをさらに解析する必要がある。
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